BillionBricksが245万米ドルをシード調達、フィリピンでカーボンニュートラル住宅1,600戸建設へ

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インドで建設された、BillionBricks の温室効果ガス排出量正味ゼロの住宅
Image credit: BillionBricks

クリーンエネルギーと大規模な手頃な価格の住宅を組み合わせたシンガポールのクライメートテックスタートアップ BillionBricks は、245万米ドルを調達しシードラウンドをクローズした。このラウンドは、SGX(シンガポール証取)に上場する Thakral Corporation がリードし、低炭素エネルギー・サービスの世界的企業 ENGIE が参加した。

BillionBricks は、2013年に建築家の Prasoon Kumar 氏とベンチャーキャピタリストの Anurag Srivastava氏によって、世界の気候変動と住宅危機に対処するために非営利団体として設立された。当時、Kumar 氏と Srivastava 氏は、9カ国で15,000人以上にシェルター、学校、緊急救援支援を提供した。

リーチとインパクトを拡大するため、BillionBricks は2020年に営利企業にピボットした。同社は、クリーンエネルギーと大規模な手頃な価格の住宅を、財政的に可能な単一のビジネス提案に統合し、気候変動を緩和しながら、より多くの人々が住宅所有者となる機会を提供している。

同社は現在、大規模なネットゼロ(温室効果ガス排出正味ゼロ)住宅とコミュニティを通じて、住宅と再生可能エネルギーの現在と未来を破壊することに注力している。

最初の BillionBricks コミュニティは、今後数カ月のうちにフィリピンで立ち上げられる予定だ。16ヘクタール以上の土地に1,600戸の住宅を建設し、住宅開発の屋上には電力会社規模の屋上太陽光発電施設を設置して13MWの発電能力を持つ予定だ。このコミュニティだけで、年間7,000トン以上の CO2 排出を相殺することができる。

BillionBricks のミッションと住宅プロジェクトは、ENGIE が推進する分散型、資産ベースの再生可能エネルギーソリューションと合致している。BillionBricks の各住宅開発には、公共施設規模の屋上太陽光発電所が付属している。ENGIE は、戦略的なノウハウと導入のための投資を提供する。

BillionBricksは、1つのソリューションで複数の持続可能性の課題に取り組み、すべてのプロジェクトで大きなインパクトを与えることを目指している。(BillionBricks CEO の Prasoon Kumar 氏)

BillionBricks への投資は、インパクト投資にも焦点を広げ、困っているコミュニティを支援しながら環境負荷の低減に貢献するという当社の戦略に沿ったものだ。(Thakral の CEO 兼エグゼクティブディレクター Inderbethal Singh Thakral 氏)

ENGIE は、東南アジアのカーボンニュートラルに向けたエネルギー転換を加速させる一方で、手頃な価格で利用でき、かつ持続可能であることを保証することに注力している。手頃な価格の住宅と太陽光発電を組み合わせることで、BillionBricksは公正なエネルギー転換の実現に貢献する。(ENGIE エネルギーソリューション APAC=アジア太平洋 CEO 兼 東南アジア地域担当責任者 Thomas Baudlot 氏)

【via e27】 @E27co

【原文】

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