チームでバラバラのコンテンツガイドラインをAIがサポート「Writer」/対話式AI「ChatGPT」の衝撃(2)

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Image credit:Writer

(前回からのつづき)カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くWriterは、ビジネスチーム向けAIライティングアシスタントを提供するスタートアップだ。2020年創業の同社は、これまでにシリーズAラウンドの資金調達を完了し、累計調達額は2600万ドルになっている。

同社のプラットフォームは、AIを使用してコンテンツ戦略を拡大できる。前回紹介したJasperはライティング技術特化で、目的やコンテキストを含むライティングを主導するものだったのに対して、同社はチーム全体にコンテンツガイドラインとブランドイメージを遵守した発信を行えるようサポートすることに特化している。もちろん、前者同様に同社プラットフォームでもコンテンツ制作の効率は圧倒的に向上すると主張している

Jasperを含む多くのライティングアシスタントを運営する企業と同様、GPT-3を利用して言語モデルが構築されているものの、トレーニングデータはウェブにあるテキストではなく、それぞれのチームのブログ、LP、広告メッセージ、メール、ソーシャルテキストを使用する。これにより、汎用的なモデルがコンテキストを入力すると返してくれるのではなく、チームからアウトプットされるコンテンツに一貫性を持たせてくれる。

また、特徴的な機能としてスニペットが実装されている。これはGmailの署名機能と同じで、ライティングにおいて繰り返し記入することの多いボイラープレート(使い回しを前提としたテキスト表現)、顧客の話、著者の略歴、会社概要などを登録し、ショートカットで簡単に入力できる機能だ。個人でローカルドライブに整理している人もいるが、部署間を跨いで統一性を保つためには全員がアクセスできる場所に整理しておく必要があるため、チーム作業に向けには欠かせない機能になる。

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同社プラットフォームは、これら特徴のおかげで競合と比べると活用シーンが多い。マーケティングコンテンツのサポートはもちろん、プレスリリース、ニュースレター、顧客とのチャット返信。さらにはナレッジベースの記事、技術文書などのエンジニアのライティングサポート。募集内容、採用情報サイト、従業員のポリシーとコミュニケーションなど人事として大切なそれぞれの接点においても活用ができるという。

AIをサポートに特化させ、GPT-3のトレーニング用のコンテンツガイドラインの設計、スニペットの設定などの手間を最初に課すからこそ、句読点から大文字と小文字の規則のような細かいところまでカバーできるプラットフォームとなっている。これらが信頼され、同社を利用する顧客にはUnitedHealthcare、Accenture、Twitter、Spotify、Deloitteなどがいる。

次につづく:AIライティングサポートの成功事例「Grammarly」/対話式AI「ChatGPT」の衝撃(3)

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