NFT「KawaiiGirl」をどう設計した:「KawaiiGirl」FREX代表 Tommy × ACV唐澤・村上(3)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

NFT「KawaiiGirl」をどう設計した

NFTの多くはPFP(Profile Picture)として使われる

村上:(中略)KawaiiGirlに至った必然性とか、偶然KawaiiGirlだったのか、その辺をお聞きしたいです。

Tommy:KawaiiGirlは結構長く設計というか構想していて、KawaiiGirlっていろんな要素があって説明しきれていないところがあるんですけど、まず絵の観点でいうと、KawaiiGirlが始まったのは去年の9月なんですけど、海外ではPFP型が流行っていて、日本ではイラストレーターの一枚のイラストが流行っていました。そこのギャップというところだと、一枚のイラストだとアイコンにしずらくて、コミュニティ形成が難しかった。

同じアイコンだよねという感覚に至れなかったというところはあったかなと思っています。日本で展開する・独自性を出すためにはアイコン型にしようと思っていました。twitterやインスタのプロフィールにした時に四角形の中に十字線を書いて、真ん中に顔がくる、更に顔の大きさが一眼で「あ、これKawaiiGirlだよね」と分かるところを取りたかったので、他に似ていない独自性のある顔にしようと思って、大きくしてインパクトをつけるようにしていて。

一方でKawaiiGirlというブランドを作りたかったので、バラバラにならないように目と輪郭の形を一致させながら独自性を出していくというところを意識していました。海外だと1万体あるので、「どれも似てるじゃん」みたいなところがあったんですが、それはジェネラティブ生成で自動的に作られていましたが、こちらは日本イラストレーターの良さを活かして一枚一枚手書きで作ってもらって、一人一人がNFTを買った時に、このプロフィールの人はこの人だというアイデンティティをつけられるように一枚一枚独自性を出すとか、イラストに関してはそういう戦略がありました。

(中略)

唐澤:聞かれている方もNFTプロジェクトを立ち上げるときにどういうステップでやっていくのか気になると思うんですが、何から初めて、どういう風に広げて皆に認知されるのか、プロセスみたいなものを教えて頂けないでしょうか。

Tommy:コレクティブNFT・PFP型に絞った話をすると、もちろん最初はどういったイラストにするか、ターゲットはどうするかの設計の段階があります。そこではブロックチェーンも絡んでくるので、どういったプラットフォームにするか、どのチェーンを使うかの選定が行われます。どういう人に届けたいかを考えながら設計していきます。

次に販売個数を設定する訳ですが、コミュニティ型として大きく広げていきたいのであれば数千から数万ですし、もっとクローズドコミュニティにしたいのであれば数十から数百の数が選定されるんですけど、設計段階のターゲットによって変えていきます。で、NFTを作って、そこから販売まではゼロから始めると誰も知らない人が勝手に販売しても意味ないので、マーケティング期間に入ります。

先ほどのようなマーケティング手法を利用して認知を広げていったりとか、情報がとにかく多い世界なので、いかに見た人達に印象付けて、いつ販売なのか覚えさせて、忘れさせない・欲しくさせるような宣伝期間に入ります。

この宣伝期間と並行してコミュニティも作っておいた方が良いとされています。先ほど話したようなホワイトリストとかのマーケティングを使いながらコミュニティを育てていって、このNFT出たら欲しいなと思う人を増やしていく宣伝期間かつコミュニティ設計期間があって、そこからやっと、これ出したら売れるなという状態になってから販売を初めます。

販売初めてもそこで終わりじゃないと言われていて、購入した層ってNFTの価値の向上を求めている人も多いので、価値を高めるイベントを定期的に打っていったりだとか、どこかとコラボするなどの仕掛けを行って価値を上げることに力を入れていくと良いかなと思っています。

次につづく:100個のNFTを1年間かけて売った「KawaiiGirl」のマーケティング手法

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