動画コラボのマケプレ「Pearpop」が秘める可能性/GB Tech Trend

SHARE:
1,800万ドルの調達を果たした「Pearpop」
Image Credit: Pearpop

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

クリエイターコラボレーションプラットフォーム「Pearpop」は11月30日、1,800万ドルの資金調達を発表しました。TechCrunchでは評価額を3億ドルと報じています。

Pearpopはマドンナなどに代表される著名インフルエンサーとのコラボレーション機会を販売するマーケットプレイスです。フォロワー数が比較的少ないマイクロインフルエンサーが大物インフルエンサーとコラボレーションすることで、認知拡大や新規フォロワー獲得に繋げるのが狙いです。

また、ブランドが特定商品をプロモーションするための投稿キャンペーンをインフルエンサーに公募形式で依頼できる「Challenge」も展開しています。たとえばNetflixの来シーズンドラマの期待コメントをSNSに投稿してほしいと登録インフルエンサーに依頼し、キャンペーン条件や一定のエンゲージメント基準を達成する毎に報酬が与えられる仕組みです。

さて、Pearpopは自社サービスを「クリエイターコラボレーションサービス」と謳っているように、主にインフルエンサー同士のコラボレーション不足を解消する目的に舵を切っています。

大物インフルエンサーとのタイアップ権利をクリエイターが購入できるようにすることで、コラボレーションを起点としたフォロワーへの認知拡大を望めるようになりました。実際、Forbesの記事によると、とあるTikTokインフルエンサーの動画投稿に対し、有名ラッパーがコメントをつけただけで、1.8万フォロワーが一夜にして13万フォロワーに伸びたそうです。

このキャンペーンに対して支払われた額は5,000ドルで、動画ギフトサービスとして急成長を遂げた「Cameo」のように、人気インフルエンサーとの距離をグッと縮めることに成功しています。

先ほどの例では簡単なコメント投稿をするだけの内容でしたが、動画コラボレーションへの横展開もあります。たとえばYouTuberの動画を観ていると、時折「コラボ動画」と称してYouTuber同士がタイアップして語り合ったり、企画を楽しんだりする動画を見かけます。

互いのフォロワーに対して効率的にアプローチすることで、両YouTuberのフォロワー同士からファンになってもらえる相乗効果を期待できる企画です。こうしたインフルエンサー同士の動画コラボレーション機会をマーケットプレイス化させ、さらなる収益拡大も狙ったのがPearpopです。

また、企業が商品キャンペーンに求めるバイラルトレンドを生み出す可能性もPearpopは持っています。最近のTikTok動画をみると理解が早まりますが、今は特定の音源や踊りを真似し合うことで、コンテンツがバトンのように受け渡しされ、拡散されていく傾向があります。 クリエイターコラボレーションを発生させる仕組みをPearpopが手にすることで、インフルエンサーのフォロワー成長課題のみならず、企業のバイラルニーズも満足させる可能性が高まるのです。

11月29日〜12月12日の主要ニュース

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録