MUFG、インドネシアのBNPL「Akulaku」に2億米ドル出資へ——東南アジアでは、Home Credit買収に続く動き

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Image credit: Akulaku

三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG、東証:8306)は、Akulaku への2億米ドルの投資契約を検討していると伝えられた。Bloomberg の報道によると、この投資は Akulaku が東南アジアでの事業範囲を拡大するために使用される。

情報筋によると、現在 MUFG は Akulaku との投資契約について交渉中だ。この合意が成立した場合、Akulaku の評価額は15億米ドルに達する可能性がある。

2022年を通して、Akulaku はその拡大を実現するために事業資本を積極的に増やしている。Akulaku がタイの大手銀行である Siam Commercial Bank から1.4 兆ルピア(約120億円)の戦略的投資を獲得したことが昨年2月に報道された。

その1ヶ月後、Akulaku は Lend East からデットで1,000万米ドルを調達した。この資金は、同社にとっての主要市場であるインドネシア、マレーシア、フィリピンでの融資ポートフォリオを増やすために使用される。

最近、MUFG は Home Credit という、Akulaku と同様のビジネスモデルを持つ会社を買収した。 CNBC Indonesia の情報によると、MUFG は子会社のアユタヤ銀行(Krungsri)を通じて、Home Credit のフィリピン部門を完全買収、またインドネシアの Home Credit のインドネシア部門の85%を買収した。

今回の買収は、東南アジアにおける MUFG の消費者事業を拡大するために実施された。なお、この買収は2023年に完全に完了することを目標としている。

Akulaku に合わせる形で、Home Credit は「BayarNanti」という BNPL サービスを2021年に開始した。BayarNanti は、特に新型コロナウイルスの感染拡大時に、コミュニティが多目的融資にアクセスしやすくするためにとった同社の戦略の1つだ。

2014年に設立された Akulaku は、より広い市場セグメントに到達するために、金融商品の多様なポートフォリオを提示している。同社は、e コマース、BNPL、キャッシュローン、フィンテックレンディング、デジタルバンキングなどのサービスを提供している。

現在、Akulaku の月間アクティブユーザ数は800万人以上、登録ユーザ数は3,200万人以上、プラットフォーム上での取引件数は2億9,500万件に達している。最近、Akulaku は Alipay+ と連携し、BNPL 商品の利用拡大も行っている。

さらに、Akulaku はデジタル時代に突入した銀行の能力を高めるために一連の技術を開発しており、提供する製品の中には、e-KYC、認証システム、QR 決済サービスなどがある。

BNPL は、顧客が商品を購入し、その代金を無利子または低金利で後払いできる短期融資を提供するため、人々が関心を寄せるフィンテック商品の一つである。

このサービスの成長の原動力のひとつは、インドネシアにおける e コマースの急成長だ。Kredivo が e コマースプラットフォームで非現金取引を行う回答者を対象に行った調査によると、BNPL を利用する取引は2021年の28%から2022年には38%と10%増加している。

【via DailySocial】 @DailySocial

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