ドローンの脅威を無力化する「D-Fend Solutions」の方法/犯罪を防止するテクノロジー(1)

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Image Credit : D-Fend Solution / Photo by Pixabay

昨年から始まった世界のテックトレンドをお伝えするシリーズ、今年からは「テックトレンドチェック」として毎週、気になるスタートアップの話題をお届けしたい。今年最初のテーマは「防犯テクノロジー」だ。近年、話題になることが多くなったサイバー攻撃など、テクノロジーを使った脅威は増すばかりになっている。私たちの生活がインターネットやテクノロジー無くして語れなくなった証拠とも言えるだろう。そんな防犯をテーマにした話題をいくつか集めてみた。

1社目はドローンを乗っ取るドローンを開発するD-Fend Solutionsだ。同社は2017年にイスラエルで創業したスタートアップでCrunchbaseによると現在までに2800万ドルの資金を調達している。同社のアンチドローン製品であるEnforceAirは、無線周波数ベースのテイクオーバー技術を持つ。要するに、危険だと判断したドローンを自動的に乗っ取ることができる、という具合だ。

今は保険会社が住宅被害の調査やAmazonや楽天といったコマース企業が配達を目的としてドローン導入を進めるなど、商業的にドローンの用途が広がっているだけでなく商用ドローン自体も簡単に手に入るようになった。用途が広がる一方、ドローンの数が増えるにつれて禁止エリアでの使用や軍事監視など、悪意ある活動も増えている。アメリカでは2015年にホワイトハウスに遊びを目的に使用していたドローンが墜落して辺りが一時封鎖された事件や、日本でも2015年に首相官邸の屋上に放射性物質を搭載したドローンが落下した事件が起きている。

ドローンによる脅威はこれだけでなく爆発物、生物兵器、化学兵器を輸送して直接攻撃したり、地上のセキュリティを突破しやすいため麻薬、武器のようなものを密輸したり重要施設を偵察できるなど、使い方次第で深刻な被害をもたらす可能性がある。

同社はこうした脅威に対してドローンそのものを乗っ取ることで解決しようとしている。空域内の不正なドローンを検出し、ドローンを完全に制御して事前に指定した場所に安全に着陸させることで脅威を無力化するのだ。

ドローンのよる被害は落下することで拡大することが多い。特に人が密集するイベントや政治集会、上でも取り上げた重要施設への落下は搭載しているもの次第ではRQ-1/MQ-1 プレデターのような無人攻撃機の攻撃と変わらない。世界中で取り組まれているアンチドローンシステムの中には電波障害によって操縦、飛行不能にするものや撃ち落とすものがあるが、生活圏と密接な場所での使用が多いため、墜落させるわけにはいかないケースが想定される。また、電波障害は重要な通信システムに障害を与える可能性もある。

そこで同社のソリューションは事前にリスク分析と評価を行って、飛行範囲やペイロード能力、ドローンのアクセシビリティに注意を払い、脅威を持つドローンにピンポイントで干渉する無効化の手順を取っている。現在同社は手段と精度を評価され、アメリカの政府や米軍、連邦法執行機関、国土安全保障機関を含む、世界中の主要な国際空港で導入されている

次につづく:人工知能がサイバー攻撃を監視「Devo Technology」/犯罪を防止するテクノロジー(2)

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