「Web3版インスタ」Revelが提案する新しいフォローのカタチとは/GB Tech Trend

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Image credit: Revel

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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「Web3版インスタ」とも言えるプロダクト「Revel」が780万ドルの調達を発表しました。Revelはユーザーが写真を投稿できるだけでなく、投稿した写真をNFT化して取引できるOpenseaのようなマーケットプレイス機能も備えたプロダクトになっています。iOS及びAndroidアプリとして展開中。

NFTマーケットプレイスの有名どころでは先述のOpenseaやNifty Gatewayなど、様々なプレイヤーが登場しています。扱うNFTコンテンツに方向性の違いはありますが、これらサービス上ではあくまでも「コンテンツ主体」であって「ユーザー主体」のやり取りは希薄です。そこで登場したのがRevelです。ユーザーとNFTコンテンツ売買をうまく融合させた提供価値を提案しています。

Revelの特徴は言わば「ソーシャルゲーム的経済学」です。気になるユーザーが提供する3つの種類(「Common」「Rare」「Unique」)にラベリングされた写真を獲得すると、ひとつのシリーズ(「Series」)としてコレクションされます。シリーズを獲得すると、シリーズコンテンツを提供するユーザーがそれ以降に投稿する任意の写真が自動的に配布されるようになります。つまり、3つの写真を集める条件を満たすことで通常のフォロー・フォロワーより一歩進んだ関係になれる、というわけです。

NFT配布を通じたソーシャル哲学を、Revelでは「Social Collectives」と呼んでいます。ソーシャル性に基づいた収集と直訳できますが、まさにユーザー同士のNFT購買とソーシャルには欠かせないフォロー関係をマッチングさせた仕組みにしているのです。

Twitterでは初日に5名以上をフォローするユーザーは継続率が高いとする「マジックナンバー」説がありますが、それぞれの希少性に分かれた3つの写真を集めることで、投稿率やフォロワー同士のコミュニケーションが急激に活性化される、そんな特別な数値設定になっているのかもしれません。

また、Revelを紐解いていくと「Personal Media」としての特徴も浮かび上がってきます。これは米国で言うところのMedium、日本でいうところのnoteにも近いアプローチとも言えます。個人が自分のブログ発信の場として使えるだけでなく、ファンの人に好きなコンテンツを買ってもらうことで金銭的なメリットも発生する「稼げるインスタ」としての訴求力も持っていると感じられます。

ただ、Revelが現在囲い込んでいるユーザー層がどのようなモチベーションでコミュニケーションと売買を両立させるのか、まだイマイチ見えてこない部分もあります。ソーシャルアプリとして独り立ちさせるには、どんなコンテンツを扱うのか、Depopのようなファッションなのかもしれませんし、それ以外のアニメや漫画といった世界観になってくるのかもしれません。いずれにせよ、対消費者向け領域のど真ん中をWeb3アプローチで攻めてきたRevelの動向は注目に値します。

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