P2P金融PeopleFundやゼロエネ建築Energy Xが大型調達、ウェブ漫画翻訳ボイスルをピッコマが買収など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(1月16日~20日)

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<本稿は1月23日初出ですが、旧正月を挟み原文に大幅な追記があったため、加筆して再掲します。>

1月16日~1月20日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは11件で、資金総額は1,040億ウォン(約104億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • AI 信用評価フィンテックサービスを運営するPeoplefund(피플펀드)が247億ウォン(約25億円)を調達し、累積調達額は1,256億円(約130億円)に達した。この調達を受けて、ノンバンクだけでなく与信産業全般に活用できる AI を使ったリスク管理技術の高度化、信用評価モデルの核心アルゴリズムに投資を拡大する。
  • ESG 建築プラットフォーム「Energy X(에너지엑스)」が200億ウォン(約20億円)を調達し、累積調達額は315億ウォン(約32億円)に達した。同社では、建築プラットフォームでありながら、建築主、建築士、建設会社をつなぎ、エネルギー効率化技術を提供している。調達した資金はエネルギー効率化技術の高度化に活用される。
  • 電気自動車充電プラットフォーム「Pluglink(플러그링크)」が150億ウォン(約15億円)を調達し、累積調達額は300億ウォン(約30億円)に達した。今回の調達により、合計7,400を超える充電器でトータル充電サービスを提供する。
  • 医療従事者コミュニティプラットフォームの運営会社 Integration(인티그레이션)が100億ウォン(約10億円)を調達した。同社は、コミュニティ、オンライン・オフライン講義プラットフォーム、e コマース、経営指標管理 SaaS など医師や歯科医が必要とするサービスを提供している。調達した資金を使って、新製品のローンチに注力する。

トレンド分析

2023年のグローバルスタートアップ展望

歴代級の投資が行われた2021年を経て、2022年はスタートアップにとっては大変難しい年だった。相当数の投資会社が2023年のエコシステムも2022年と同様に下落傾向を描くと予想している。今年のグローバルスタートアップエコシステムはどのようになると予想されるかをまとめた。

  • 全体的な投資環境 …… 健康的な再調整期間が始まる年で、投資家が収益性の高いビジネスに焦点を当て、基礎に戻る基調を維持するため、投資環境は活性化を期待するのが難しい。投資に十分な資金はあるが、グロースステージの投資は依然として下落傾向で、資金調達環境が悪くなるにつれ、企業は高い企業価値を達成するのが難しくなるだろう。
  • IPO 市場の不振 …… IPO 市場は2022年に大きな下落傾向を描き、2023年も下落すると見込みだ。世界的に株式が暴落しており、最近上場した一部のヨーロッパ技術銘柄は最大98%暴落した。大規模なスタートアップ IPO があるかもしれない。
  • M&A の増加 …… 企業価値が下落するにつれて、買収を通じ製品群の拡大を模索する企業開発チームと、より強力なスタートアップ同士の統合の波が起こるだろう。ビッグテック企業は最近、コストを削減し整理解雇を進行しており、一方で評価額が下がった企業を吸収合併する機会とすることができる。
  • フィンテックの上昇 …… フィンテックは VC 資金が下落する状況でも上昇傾向を示した分野で、2023年にも依然として上昇傾向を維持すると予想される。B2B 決済等には投資が増加するだろう。
  • リモートワークの増加 …… 低迷で企業が難しくなり、会社内の多くの役割がリモートワークに転換され、技術部門の解雇は今年中ずっと続くだろう。スタートアップはリモートワークとコラボレーションのためのソリューションを提供するだろう。
  • クライメートテック …… 世界政府が2050年までにネットゼロを達成することになっているため、気候問題を技術的解決策を探す努力が進行中。 これにより、関連分野企業には引き続き投資が続くこと。 2023年は新たなソリューションと投資成長で気候技術がトレンドに浮上することになる見通し。
  • ノーコードとジェネレーティブ AI …… ノーコードとジェネレーティブ AI は重要な技術変化をもたらすだろう。ノーコード関連スタートアップの急増、ジェネレーティブ AI 企業が資金調達優意——この2つの事象がユーザ体験を最適化する Web サイトなどを製作可能にする。最近、Chat GPT の急速な拡散がこのような技術が持つ力を示唆している。

2023年の韓国スタートアップエコシステムの流れも、上で紹介したトレンドと大きく変わらないだろう。2022年以降、グロースステージの投資は急激に減少し、多くの投資家が成長性に基づいて保守的な投資を実行している。また、M&A の事例は2021年より大きく増えた反面、IPO は下落傾向を免れなかった。2022年、Kurly(컬리)は IPO の予定を撤回した。いくつかのスタートアップは悪化した資金調達環境を理由にスタッフを解雇・リストラを進め、廃業のニュースも多く耳にした。

新型コロナで加速したリモートワーク環境により、企業が使用する SaaS が増加し、関連企業は大規模な資金調達に成功した。韓国国内の多くの投資会社が2024年を投資環境回復の時期と見込んでいる。2023年も昨年と同様にスタートアップにとっては難しい時期になると予想される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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