ブロックチェーンとメタバースにある〝壁〟:Suishow CEO 片岡× ACV唐澤・村上(4)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

ブロックチェーン×メタバース、ユーザー層間の〝壁〟はむしろ追い風

VRChatはNFTから距離をおいた(Image Credit : VRChat)

村上:ブロックチェーン×メタバースはどちらも新しいので、コミュニティ運営も大変になりますよね。使い方ひとつとっても、ネットワークの繋ぎ方・ウォレットの作り方が分かりませんとか、結構つまるポイントがいっぱいあると思います。

片岡:そもそもメタバースのユーザーはNFTを嫌っていたりするために、ユーザー層が全然違うので、そこを上手くハンドリングするのはなかなか苦戦しています。

唐澤:有名なのはVRChatで、クリエイターが結構集まっていて、アンチブロックチェーンとかいう話もありますし、マインクラフトが禁止したりとか、良し悪しはあるじゃないですか。Suishowはブロックチェーン×メタバースにドメインを置く中で、逆風もあると思うんですけど、そのあたりはどう考えられていますか?(中略)

片岡:僕は逆風がチャンスだと思っていて、メタバースの会社はメタバース単体だと儲からないんですよ。3Dファイル自体がかなり価格崩壊していて、良いものが100円とかで買えたりしえ、ただのファイルなので原価の概念も服とかと比べるとなくて、価格崩壊を起こしやすくて、全然儲かっていないんです。

でもNFT×メタバースは、数が多くはないんですが取引額は高くて儲かってはいます。web2のメタバース企業はNFT領域に行くことで儲かることは絶対分かっていると思うんですが、そこにはユーザー層の壁があって行けないんですよね。自分たちのユーザーがNFT嫌いだから、シャットアウトしないといけないんです。

だからブロックチェーン×メタバースの領域のプレイヤーが空いてしまうので、それが理由で自分たちはやっています。ここの壁はむしろありがたいです。

唐澤:ビッグプレイヤーが入って来づらいわけですね。別に全員が否定するわけでは無くて、時間が経てば許容度も上がってくると考えると、先にユーザーを取っておけるんですね。

片岡:1年以上やっているんですけど、1年前でも世間がNFTを知らない中でVRChatの人たちはNFT知ってるんですよ。結構リテラシーが高くて、仮想通貨を持っている人とかもいるんですよ。彼らと話すと、彼らのペインはNFTではないんですよね。

彼らのペインは、VRChatの仕様上、アバターが目の前にいるということはファイルがダウンロードされていて、レンダリングして表示している状態なので、ファイルダウンロードしているのをキャプチャして盗むことが出来てしまうわけです。これを「引っこ抜き」というんですが、せっかく自分が作ったものでもパクリワールドが簡単に出来てしまう。VRchat上に日本のコンテンツはすごく多くて、アバターも盗まれて使われているケースも多くて、そこが一番のペインなんですよ。

それをNFT化すると言っても、VRChatがNFTに対応するわけではないので何も変わらない中で、世間から「メタバースとNFTは相性が良い」と言われることがすごく嫌でした。初期はこういうこと自体が分からなかったので、VRChatでNFTについて話すと、10人ぐらいのアバターに囲まれて「そんなのいらない」と言われて、いじめられていました。

時間が経つとそういうペインが理解できてきて、現状だと完全にweb2のメタバースとNFT自体は相性が良くないなと理解しています。だからプラットフォーム自体がNFTに対応している世界で、NFTしか使えないみたいになると問題ないのかなと思っています。

唐澤:VRChatのユーザーから見たら、本当はNFT化して権利を守りたいのにプラットフォーム側が対応してないので、「俺に言うな」となる。もどかしさがあるのかもしれませんね。

次につづく:メタバースの将来像

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