暗号資産業者の求めに応えた高いセキュリティ:Ginco 取締役副社長 房安 × ACV唐澤・村上(5)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

  • 企業が自前でNFTマケプレを作る理由
  • カストディアル vs. ノンカストディアル
  • ウォレット開発から始めた理由
  • 〝繋がるコールドウォレット〟が誕生するまで
  • 暗号資産業者の求めに応えた高いセキュリティ
  • 非Web3企業がWeb3を始める上で重要なこと
  • 事業開発の苦労、高かったハードル
  • インフラ・ウォレットを開発するユニークな存在
  • あらゆるチェーン&トークンへの対応
  • 「経済の巡りを変えていく」ためのアプローチ

暗号資産業者の求めに応えた高いセキュリティ

房安:交換業者様の場合、社内でコールドウォレットのオペレーションをするのがメインになるんですが、それ以外の暗号資産を扱う企業様にもご利用いただいてまして、その場合はコールドウォレットごと自宅とかに持ち帰って金庫で管理するようにしていただいています。

その時にその人の家に行かれたらちょっと危ないんじゃないかと考えるんじゃないですか。でも実は弊社のコールドウォレットは「マルチシグ」と呼ばれる仕組みで、承認を複数人に分散するようになっています。

ワークフローツールのイメージで、ワークフローは自由に作れるようになっているんですよ。人数に制限も無くて、よくマルチシグって3人中2人とかにするんですが、我々のものだとポチポチと人数を増やして5人中3人とか6人中4人とか作れるんですよ。

弊社のソリューションではスマホをベースにオフラインを作るんですけれども、家に持って帰る場合はなるべく分散してもらって、各人の家にある署名用スマホを操作してもらうことで分散をしていれば集中リスクも避けられます。

唐澤:1人の家に空き巣が入って盗まれたとしても、他の5人がいるから、同時多発的に空き巣に入らなければ、基本大丈夫なわけですね。

房安:そうです。そういった仕組みを構築したので、本当にお客様からはこれまでの業務、本当に変わりましたと、業務の改善度合いとかがすごく大きいので、作った甲斐があったと思っています。

村上:結局運用のところですもんね。勢いでやるわけにいかない事業じゃないですか。ハンコを押し会社に行って契約書を締結するみたいなものの無駄が無くなるのと一緒ですよね。

唐澤:暗号資産交換業の方は、さばいているトランザクションもそうですし、必要とするセキュリティレベルも非常に高いと思うんですね。そういうお客さん相手に事業展開されてきたからこそ、そうじゃない一般のお客様向けに高いセキュリティを実現できるという感じですかね。

房安:本当におっしゃっていただいた通りでして、やっぱり暗号資産交換業者様に求められるセキュリティ水準は非常に高いのはもちろんですが、それぞれの管理してる暗号資産の額も管理する顧客口座数も膨大です。例えば、交換業者様によっては顧客からの預かり資産が数千億あり、顧客口座数も数百万口座、口座ごとに20通貨分のアドレスを発行といった具合に、アドレスが相当数になるんですね。

そういったトラフィックをさばくためのインフラや、相当額を入れても問題なく業務ができるセキュリティ、こういった高いレベルを意識してソリューションを作ってきたので、他の企業様にも弊社が得たノウハウを転用して、NFTのウォレットや他のソリューションを提供しています。

村上:ブロックチェーンだけじゃなくて、インフラをどういうふうにスケーラブルにするかとかセキュアにするかとか、結構ITのリテラシーが高くないと作れないところですよね。それを実現されているというのは、メンバーはすごい感じなんですか。

房安:弊社はCTOの森下(森下真敬氏)を筆頭に本当にブロックチェーンのことを2017年、2018年くらいからやっているエンジニアメンバーが揃ってますので、技術においては非常に強みがある会社だと思います。

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