非Web3企業がWeb3を始める上で重要なこと:Ginco 取締役副社長 房安 × ACV唐澤・村上(6)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

  • 企業が自前でNFTマケプレを作る理由
  • カストディアル vs. ノンカストディアル
  • ウォレット開発から始めた理由
  • 〝繋がるコールドウォレット〟が誕生するまで
  • 暗号資産業者の求めに応えた高いセキュリティ
  • 非Web3企業がWeb3を始める上で重要なこと
  • 事業開発の苦労、高かったハードル
  • インフラ・ウォレットを開発するユニークな存在
  • あらゆるチェーン&トークンへの対応
  • 「経済の巡りを変えていく」ためのアプローチ

非Web3企業がWeb3を始める上で重要なこと

唐澤:暗号資産交換業は本業なので良いとして、そうじゃない企業がマーケットプレイスをやりたいとかウォレットやりたいと言ったときに、かなりの確率でゼロベースで来るじゃないですか。

さっきおっしゃっていたセキュリティ面の懸念とか色々なことを考えていかなければならないと思うのですが、どういうアドバイスをされるんですか? カストディアル・ノンカストディアルももちろん一つの観点だと思うんですけれども、企業がNFTを自分たちでやりたいと思ったときにどういうことを併せて考えないといけないんですか?

房安:おっしゃる通りゼロベースで相談される機会が非常に多くて、よく論点になるところを挙げるとすると、セキュリティ観点と、会計・税務に近いところでシステムをどう隣接させるか、あとは法務面でやり方が準拠しているかどうかの3つですね。これらを含めてシステム構成のノウハウとビジネス座組みの考え方をコンサルティングさせてもらっています。

唐澤:セキュリティに関しては、まさしくさっきの秘密鍵をどういうふうに管理するか。カストディアルでやるんだったら事業者側が秘密鍵を管理しなければいけないので、既存のセキュリティ対策とかシステム基盤がそもそも大丈夫なのかとか、そのあたりをやるイメージが湧くんですが、会計監査ではどんなお話をされるんですか? ちょっと不勉強なんですが、NFT自身は暗号資産じゃなくデジタルグッズみたいな扱いなので、結構緩く考えてらっしゃる会社さんが多いのかなと思うんですが、少し解説いただけますか?

房安:これはどこまで申し上げるかというところですが。会計監査の観点でいくと、もちろん我々が監査をやってるわけではないんですが、よく監査法人さんと企業さんの間で議論になるのが、発行したNFTを暗号資産同等とみなして会計監査するか否かということです。

もしするとなった場合、もしくはNFT事業だけど暗号資産も関連してるから、全部まるっと見ますよみたいなイメージになった場合、暗号資産交換業者様と同等のレベルの会計監査を求められるんですよね。

例えばウォレットはちゃんとそこにありますか、ガバナンスは大丈夫ですか、表示されているトランザクション残高は正しいですか、というところがシステムレベルで問われます。そういったときに、我々の知見を皆さんに提供していくのはお役に立てることが多いです。

唐澤:そうですよね。特にマケプレをやるんだったら、不特定多数向けの売買ができるみたいな話になるので、まさに暗号資産交換業と近い形になってしまうんですね。でも結構そこを理解せずにやっていて危ない会社も多いですよね。

房安:小さいところだと勢いで進めるところも多いと思います。大きなところだと各隣接部署でのチェックとか、「法務コンプラからこう言われてまして」というシーンが多いので、そういった問題が企画の後半に出てくるとしんどいなというのは御社も多いと思うんですけど、序盤に我々が入るとクリアできることも多いと思うので、もうちょっと早めに入りたかったなというのは経験はありますね。

唐澤:そこはすごく思います。考えておかなければいけない論点をしっかりまず洗い出しておくのが大事ですよね。

房安:おっしゃる通りですね、我々はそこを何周かやってるので、先回りして、「こういう課題が必ず出るので、まず整備しましょう」っていうのはお客様に対しては最初にやらせていただくことです。

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