hololiveのカバー、東証グロース上場へーー評価額は430億円規模

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VTuberのキャラクターIP開発、VTuberプロダクション「hololive production」の運営を手掛けるカバーは2月17日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はグロースで証券コードは5253。150万株を公募し、1092万7,400株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは186万4,100株。主幹事はみずほ証券㈱と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が務め、上場予定日は3月27日。

価格の仮条件は3月7日に決定し、ブックビルディング期間は3月8日から14日にわたり実施される。最終的な公開価格決定日は3月15日。同社公開の有価証券届出書によれば、2022年3月期(第6期)の通期売上高は136億6,300万円で経常利益が18億5,300万円。足下の第7期第3四半期の売上高は128億200万円、営業利益17億3,400万円、経常利益が17億2,700万円となっている。上場時の発行済み株式総数(公募分を含む)は 61,124,200株で想定発行価格の710円から算出した評価額は約430億円。

カバーの創業は2016年6月。バーチャルリアリティ(VR)関連コンテンツ制作から開始し、卓球ゲーム「Ping Pong League」を翌年にリリース。同年9月から開始した仮想世界でのインフルエンサー、VTuberアイドルの「ときのそら」が活動を開始しヒット。

その後、現在のプロダクション事業の原型となった女性VTuberグループ「hololive」を立ち上げ、2022年12月末時点でのホロライブプロダクションのVTuber在籍数は71名(言語地域別で日本が48名、インドネシアが9名、英語圏が14名)に拡大。内、31名はYouTubeのチャンネル登録数が100万登録を超えるなど、幅広い支持を得ている。なお、ホロライブプロダクション所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数は延べ数で7,200万登録を超えている。

事業モデルは単一セグメントで、VTuber事業と関連業務で構成される。詳細は(1)配信・コンテンツサービス(2)ライブ・イベントサービス(3)IPブランドを活用したマーチャンダイジング(4)ライセンス・タイアップの4つに分類される。基盤となっているのがYouTubeチャンネル登録数などを背景とした配信・コンテンツサービスやライブ・イベントサービスで、視聴者からのメンバーシップ加入や広告、課金型のSuber Chat、音楽ストリーミングにおける楽曲販売などがある。これをベースにIPを活用したマーチャンダイジングやライセンスビジネスを積み上げた。

主要株主は創業者の谷郷元昭氏が38.2%、STRIVE(※)(AT-Ⅱ投資事業有限責任組合)が17.3%、バレーが5.5%、福田一行氏(カバー取締役CTO)が5%、みずほキャピタル(みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合)が3.6%と続く。

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AT-Ⅱ投資事業有限責任組合は旧グリーベンチャーズが設立したファンドですが、現在の社名がSTRIVEに変わっているためそちらの名称を使っています。なお、現在のグリーベンチャーズとは別法人です。

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