3Dプリンタで建設業をDXするPolyuse(ポリウス)、7.1億円をプレシリーズA調達——施工業者と連携、全国で実証例を増やす

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Polyuse の 3D プリンタで作られた建造物
Image credit: Polyuse

建設業向け 3D プリンタ事業を開発・展開する Polyuse(ポリウス)は15日、プレシリーズ A ラウンドで7.1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)、SBI インベストメント、 Emellience Partners、Coral Capital、池森ベンチャーサポート、吉村建設工業。これは、2021年4月に実施したシードラウンドに続くものだ。Coral Capital、池森ベンチャーサポート、吉村建設工業は前回ラウンドに続くフォローオンでの参加。

Polyuse は2019年6月、岩本卓也氏(代表取締役 COO)、松下将士氏(取締役 CTO)、大岡航氏(代表取締役 CBO)らにより創業。土木、外構、インテリア、エクステリアなどの分野をターゲットに、3D プリンタや先端技術を活用した施工期間の短縮、人員の最適化などで、人的資源の再構築から建設業の変革を狙う。型枠工事就労者の43%を55歳以上が占め、トンネルの約42%が建設後50年を経過するなど老朽化が社会問題化する中、建設業 DX で業界を支援する。

Image credit: Polyuse

前回ラウンド発表から約1年半が経過し、この間、Polyuse では、プリンタの機能改善、ソフトウェアと材料の研究開発を進め、全国に施工パートナー(主に、地方の地場ゼネコン事業者)を増やしてきた。国土交通省の地方整備局が主導するインフラ公共工事など、15都道府県の30件強の工事に Polyuse のソリューションが使われ、実際に設置され市民に使われる建造物として実証実験が続いている。完全無人での施工をテーマの一つにしているため、災害復興時など緊急対応を求められる現場での相性も良いという。

Polyuse は当初、プリンタや素材などハード面の開発に重点をおいてきたが、今回、プレシリーズ A ラウンド、すなわち、一定の PMF(プロダクトマーケットフィット)が見られたとの判断から、今後は、よりハード面とソフト面両サイドからの開発体制を充実させる計画だ。そのため同社では、今回調達した資金を使って、施工データを施工管理や計画段階でも活用できるプラットフォームのプロダクト開発、研究開発拠点・製造拠点・専門人材の拡充など施設や採用面も強化する

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