多言語化サービスのWOVN、コスト・品質・納期をトレードオフしないで済む翻訳自動修正ツールを発表

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Image credit: Masaru Ikeda

Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io(ウォーブン・ドット・アイオー)」を提供する WOVN Technologies(以下 WOVN と略す)は16日、都内でカンファレンスを開催し、この中で、多言語 Web サイトの正確な自動運用を実現するプロダクト「WOVN Autopilot」をローンチすると発表した。このプロダクトは当面、β版として運用される模様だ。

WOVN は2014年に MVP(実用最小限製品)をローンチ、Java Script 1行を web サイトに挿入することで多言語対応できる仕組みのほか、用途に合わせたさまざまな多言語化サービスを提供してきた。機械翻訳と人力翻訳を組み合わせ、過去の翻訳データを活用できるデータベースを活用するなどして、正確さと効率性を両立できるサービスを提供してきた。

ただ、言葉としての翻訳が合っていても、レイアウトが崩れてしまったり、そもそも必要となくなる項目(例えば、表音文字を採用している言語では、日本語における「ふりがな」に相当する項目は不要)が存在したり、e コマースサイトなどでは購入ボタンを「purchase」とするか「buy」とするかでコンバージョンが異なったりもするだろう。

「WOVN Autopilot」を紹介する、WOVN Technologies 代表取締役社長の林鷹治氏(右)、取締役副社長 上森久之氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda

一般的に、多言語化では品質・コスト・納期がレードオフの関係になるが、WOVN Autopilot を使えば、誤訳の修正などを5分で検知し、10分で最適なローカライゼーションが目指せるという。将来的には、ジオターゲティングのような仕組みを使って、アクセスしたユーザに合わせ、Web サイト上のキャラクタの装いを出し分けたりするような構想も存在するそうだ。

GDPR の適用に伴い、昨年4月から日本のヤフーのヨーロッパからアクセスできなくなったのは記憶に新しいが、各国でプライバシー保護や情報統制の法令は異なるため、今後、世界展開する企業やサービスは、国ごとに現地から閲覧できる情報も出し分ける必要が出てくる。WOVN Autopilot が実現するローカライゼーションには、こうしたコンテンツ管理の機能も含まれることになりそうだ。

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