マウスクリックだけで動くマニュアルを自動作成、Product Hunt3位獲得の「secondz」が正式ローンチ

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「secondz」
Image credit: adsai

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

東京に拠点を置くスタートアップ adsai は1日、ヘルプデスクやカスタマーサポート向けの動くマニュアルをクリックするだけで作成できるツール「secondz」を日本市場向けに正式ローンチした。マニュアルの作成は Google Chrome エクステンションとして導入した状態で Chrome 上から操作する形で記録でき、PC やモバイルを含む各種 Web ブラウザで閲覧できる。マニュアル作成者は、閲覧者がどのページを見ているか、どのページで脱落しているか、などをダッシュボードで確認できる。

adsai は、グリー(東証:3632)でソーシャルゲーム開発、エン・ジャパン(東証:4849)で転職サイト「AMBI」の事業企画やプロダクト企画責任者、PKSHA Technology(東証:3993)で自然言語処理ソリューションや B2B SaaS の立ち上げに従事した板井龍也氏(現、代表取締役)らにより2019年に創業。これまでに、求人広告の運用の自動化・高度化支援 SaaS「adsai」、プロダクトデモ作成支援サービス「selfdemo」などを開発してきた。secondz はこの selfdemo をベースに開発された、ヘルプデスクやカスタマーサポート支援に特化したツールだ。

チャットボットの普及でヘルプデスクやカスタマーサポートの省人化や業務効率化が進む一方、企業の現場では、そもそもチャットボットに〝食わせる〟FAQ や問答集が存在していないという状況に直面している。そこで、adsai では FAQ や問答集が無くても簡単にユーザに説明できるツールとして、動いて試せるマニュアル SaaS の開発に着手した。secondz は Product Hunt 上で1月8日に公開され、その後、世界35ヵ国から有料ユーザを獲得し、デイリーで3位(Product of the Day: Third)の座に輝いた。

secondz で作成された BRIDGE の動くマニュアル。板井氏が数秒で作成してくれた。

secondz は PLG(Product-Led Growth)戦略を採用しフリーミアムモデルで提供されているが、ログの記録が最新のものに限定されたり、記録できる数量が限られたり、いくつかの制限があり、月額15米ドルの有料メニューに移行することでこれらの制限が解除される。作成された動くマニュアルは、URL 共有できるほか、iframe タグで Web サイトに埋め込みもできる(上図)。今後半年以内をメドに、Web ブラウザで操作される Web アプリ以外にも、デスクトップアプリの操作記録に対応できる版もローンチさせる予定だ。

adsai では今後、ChatGPT などと組み合わせ、secondz をユーザと対話的にやり取りできる総合的なサポートツールへと進化させる計画だ。マウスクリックだけで作成した画面遷移の記録と、数問の質問に答えるだけで、ジェネレーティブ AI の活用により FAQ に相当するものが作れるだろう、と板井氏は語る。今後数ヶ月をメドに secondz のニューバージョンを完成させ、改めて Product Hunt 上での公開に臨む計画だ。

詳細については不明だが、adsai は Wantedly に掲載した会社説明で、2021年にベンチャーキャピタルから資金調達したことを明らかにしている。2020年には、ディップ(東証:2379)が運営する「AI.Accelerator」の第14期に採択された。また、今回の日本語版提供にあたり、マイクロソフトのスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups」に採択された。

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