人工知能がもたらす「真の変革」ーージェネレーティブ(自動生成)AIが変革する世界(3)

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AIゲームとAIムービー

NvidiaのバーチャルJensen Huang氏

(前回からのつづき)NvidiaのCEOであるJensen Huang氏はGamesBeatのインタビューで、今はジェネレーティブAIとビデオ ゲームの時代であると語り、Andreessen Horowitz氏はAIとゲームを2023 年の重要な投資対象とした。

「AIゲームは大規模言語モデル(LLM)によって強化されたより豊かなキャラクターや効率化された開発を現実のものとするでしょう。ただ、それよりさらに重要なことは、真にパーソナライズされたプレイと意味のある選択が実現するということです。つまりそれぞれ個々人のプレイスタイルや決断によって、プレーヤー毎のゲーム世界が無限に広がる、ということなのです」。

こう語るのはプライムタイムエミー賞を二度受賞したCEOであり、The Simulationの共同設立者、かつ、The Culture DAO の共同設立者でもあるSaatchi氏だ。彼はさらにこうも続けた。

「AI をツールとして使用することで、1 人のゲーム開発者がファイナルファンタジー、ウィッチャー、エルデンリング、レッド デッド リデンプションと同等またはそれ以上の没入型の世界を作成できるようになるまで、あと数年しかかからないでしょう」。

ここからはいくつかAIゲームのタイトルを紹介しよう。「Tales of Syn」は、Fallout 2の流れを汲むAI RPGで、豊富な戦闘、AIを利用したダイアログ、NPC、パーソナライズされた AIを備えている。このゲームは、地球の未来の時代にある広大な大都市「ギガブロックC」を舞台としている。街並みの構造は、社会の階級格差を直接反映させている。

最上階は裕福で環境に優しく、エシュロンコーポレーションによって管理され、最も裕福なエリートが陣取る。下に降りれば下るほど地区は貧困に陥り、最下層は部外者で埋め尽くされ、対立する派閥によって支配される無法地帯になるのだ。

続いてのAIゲームは「Origins」で、大都市メトロポリスにおいて人間とロボットが持てる者と持たざる者を分離する、そんな不安定な社会システムでの共存をプレイする短編ものだ。メトロポリスでの爆発の後、あなたは刑事として現場に到着する。マイクをオンにして目撃者に質問し、物語を明らかにし、事件を解決する。キャラクターはあなたの質問に基づいて、スクリプトのない対話と流動的な感情でリアルタイムに応答する仕組みとなっている。

Originsのすべてのキャラクターは人工知能を搭載している。Originsは開発者がAI NPCをゲームの物語や体験に組み込む方法を示そうとInworldのチームによってケーススタディ的に作成された、

さらにもう一つのタイトルは、AIを活用した2.5Dアドベンチャーゲームが「Echoes of Somewhere」だ。また、Fableから登場する「The Simulation」、ナラティブAIを搭載したD&Dタイプのソーシャルゲーム「Hidden Door」といったタイトルも準備中になっている。また、関連タイトルとして、24時間365日AIを搭載した「Nothing Forever Twitch AI Seinfeld」もある。完全なゲームではないが、ユーザーのコメントがAIの判断やスクリプトに影響を与える。

AI映画については、ハリウッドが注目しているとSaatchi氏は言う。ロバート・ゼメキス監督は、俳優のトム・ハンクスとロビン・ライトが出演する新作映画「Here」で、ジェネレーティブAIツールであるStableDiffusionを使用している。先週ニューヨークで開催されたAI Film Festivalで、Darren Aronofsky氏はAIについて次のように述べている。

「アイデアやプロジェクトを構想し、世界を創り出すという点では、明らかに巨大なツールが解き放たれました。このような新しいタイプの映像風景には、多くの可能性があります。AI ムービーは未来です。2023 年には、最初のAIの長編映画が映画館で上映されます。2024 年には最初の大ヒット作品(Blockbuster)が登場し、10 年間の終わりまでには大部分の映画が AI によって生成されるでしょう。映画の脚本家や監督は観客に対してより自身の考え方や感動を伝えられるようになるではないでしょうか」(Saatchi氏)。

次につづく:アマチュアとプロの差を縮める13のAIツールたちーージェネレーティブ(自動生成)AIが変革する世界(4)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

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