チャットマーケにもジェネレーティブAI、「ChiChat」がCVR向上クリエイティブを生成する特許を日台で取得

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ジェネレーティブ AI が生成したチャットクリエイティブの例
Image credit: Hitobito

チャットマーケティングサービス「ChiChat」を展開する人々(および、同社台湾支店の邦徳電子商務)は30日、日本と台湾で、コンバージョンレート(CVR)を向上させるチャットクリエイティブ(テキストや画像)のジェネレーティブ AI の特許を取得したと発表した。この技術では、全てのクリエイティブに対し過去実績を学習した AI がチャットマーケティングの CVR を推論、チャットコマース事業者は、マーケティング効果を最大化できる最適なクリエイティブを選ぶことができる。

これは同社が先月3日にシリーズ A ラウンドを発表した際、「ターゲット顧客を指定し、元になるテキスト文章と画像を入力するだけで、チャットの中で利用できるバナーが出来上がる仕組みなど、AI 自動生成技術を進化させることでサービスのさらなる高度化と競争力向上を図る」計画があるとしていた技術に関するものだ。2018年に Google が公開した Transformer 技術ををベースにした複数のモデルに対して CVR を教師データとして学習させ開発した。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)前で。CEO 石川真也氏(左)と CDO 船井正太郎氏(右)。
Image credit: Hitobito

この技術の開発は、2021年4月に人々の CDO(Chief Data Officer)に就任した船井正太郎氏が主導した。船井氏は、物理学および言語処理の人工知能の研究を続ける研究者で、以前は沖縄科学技術大学院大学(OIST)のスタッフサイエンティスト、現在は内閣府ムーンショット型研究プロジェクトの研究員を務める人物だ。人々ではこれまでに、船井氏が共同開発した中国語自然言語 AI を ChiChat に取り入れてきた。

人々では先ごろ、ChiChat を中国語や日本語に加え、英語にも対応させる計画を発表、チャットコマースに熱心な東南アジアの企業を開拓すべく、シンガポールに進出することを明らかにしている。通販・金融・ジム・エステなど幅広い業種で導入され、取引者数は150社(2023年2月現在)。AI を使ったチャットマーケティングにより運用工数を大幅に削減しており、前年同期比で CVR は250%以上(各ユーザ実績における平均値と見られる)に伸びているという。

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