SVB経営破綻で、米有名VC7社が緊急提言「起業家がキャッシュを管理するための8つのポイント」

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先週、アメリカのシリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、スタートアップ危機論が噴出した。キャッシュ確保が不確実な今の時期には、賢明なキャッシュ管理戦略がスタートアップの生存に非常に重要な役割を果たす。

潜在的な危機に対応できるよう資金管理が正しく機能しているか、スタートアップは確認する必要がある。これに答える形で B Capital Group、GreyLock、Kleiner Perkins などグローバル VC 7社は「起業家が考慮すべきキャッシュ管理ポリシー」というテーマで8つのガイドラインを公開した。

  1. リスク分散 …… 常に2~3の銀行に別々に口座を維持してリスクを分散し、そのうちの1つはアメリカ4大銀行のうちの1つでなければならない。また、各口座の使用用途(X 口座:顧客からの売上金、Y 口座:給与、Z 口座:賃貸料)や情報を最新に保つことが必要である。これにより、危機が来たときに移動すべき項目を把握して迅速に処理することができる。
  2. 期間と用途に応じたキャッシュ管理 …… それぞれ3~6ヶ月分のキャッシュが入っているコア口座2つを管理すべきだ。余分なキャッシュのための3番目の口座は安全で流動的なオプションに投資すれば、もう少し多くの収入を生み出すことができる。
  3. 詐欺防止のためのプロセス構築 …… 資金移動に対する承認及び確認プロセスを実装し、詐欺を防止するプロセスを作らなければならない。金額に応じて段階的に承認、確認するプロセスを作成し、少なくとも電話、できれば直接対面で承認原則を作成すること。 また、高額承認基準を CEO、取締役会で引き下げることも必要だ。
  4. 依存点を一つにしない …… 承認プロセスが一人または1ステップが唯一の依存点にならないように設計し、迅速な意思決定が必要な場合、1人がプロセスをボトルネックにならないよう、重複がないことを確認してほしい。
  5. 投資方針の作成 …… 投資方針は、普通預金口座を超えて余剰キャッシュを運用する際に許容されるアプローチと戦略を定義する。 ヘッジファンドの収益創出ではなく元本保存が目標なので、保守的に6ヶ月未満で投資期間を維持すべきだ。
  6. 向こう1ヶ月のキャッシュフロー予測 …… どの請求書がいつまでに支払われるか、予想される流入額を継続的に予測すべきだ。キャッシュ残高がどのように変化するかを直感的に把握することが重要であるため、毎日これを確認して更新することをお勧めする。
  7. 緊急融資枠を確保 …… 主要銀行一行に6ヶ月間、会社に資金支援できる融資枠を確保し、必要ない時はその資金にタッチしないようにする。
  8. 十分なコミュニケーション …… 問題が発生した場合、経営陣と取締役会の両方に問題を伝え続ける。

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