GitHubがGPT-4モデルを採用した「Copilot X」を発表、ジェネレーティブAIを活用したソフトウェア開発の未来を描く

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Image credit:GitHub

ソフトウェア開発コラボレーションのための主要プラットフォームであるGitHubは3月22日、Copilot Xの導入によるAI主導のソフトウェア開発の次のステップを発表した。コード補完におけるジェネレーティブAI利用の先駆者であるGitHubは、最新のGPT-4モデルを採用してCopilotの機能を拡張することによってOpenAIとの提携をさらに進める。

2年前に発売されたGitHub Copilotは、すでにソフトウェア開発の世界に大きな影響を及ぼしている。GitHubはOpenAIのCodexモデルを用いて構築されたこのAI搭載ツールが、現在プラットフォーム上のコードの46%を記述し、開発者が最大55%速くコーディングできるようになったと伝えている。コメントとコードを自動生成させることで、Copilotは開発者の集中力と生産性を維持するAIペアプログラマーとして機能するという。

チャットを使った大胆なビジョン

3月22日にリリースされるバージョンアップ版「GitHub Copilot X」は、AIを活用したソフトウェア開発の未来に向けた大胆なビジョンを表現している。アクセシビリティを重視し、単なるコード補完にとどまらず、開発ライフサイクル全体でCopilotを利用できるようになった。チャットや音声機能を搭載することで、開発者はCopilotとより自然にコミュニケーションを取ることができるようになる。さらに、Copilot Xはプルリクエスト、コマンドライン、ドキュメントに統合され、プロジェクトに関する質問に即座に回答することができるようになる予定だという。

ソフトウェア開発におけるAIの変革の可能性は、GitHub Copilot Xで存分に発揮されるだろう。定型文や手作業を減らすことで、開発者はより複雑で革新的な仕事に集中することができるようになる。新しいレベルの生産性により、開発者は大局に集中することができ、イノベーションを育み、人類の進歩を加速させることができるのだ。

Image credit:GitHub

AIで再構築された開発者エクスペリエンス

GitHub Copilot Xでは、コードエディターでのChatGPTのような体験、プルリクエストでのCopilot、ドキュメントでのAIによる回答、コマンドラインインターフェースでのCopilotなど、いくつかの新機能が紹介されている。

Copilotのチャットは、OpenAIとMicrosoftがChatGPTと新しいBingで行った作業をベースにしている。GitHubは開発者のシナリオに焦点を当て、VS CodeやVisual Studioとネイティブに統合されたチャットインターフェースをエディタに導入した。チャットウィンドウの域をはるかに超え、Copilot Xは開発者が入力したコードや表示されたエラーメッセージを認識し、IDEに深く埋め込まれるようになる。

編集体験の強化に加え、Copilot XではCopilotがプルリクエストを行うことができる。この機能はOpenAIの新しいGPT-4モデルによって実現され、プルリクエストの説明文にAIを搭載したタグをサポートする。組織の管理者や個々のリポジトリ所有者がインストールできるGitHubアプリを通じて行われる。タグは変更されたコードに基づいてCopilotによって自動的に記入され、開発者は提案された説明を確認したり修正したりすることが可能となる。

GitHubは、開発者がプルリクエストを作成する際にCopilotが自動的に文章や段落を提案する新機能も内部でテストしている。近いうちに、Copilotはプルリクエストのテストが不十分であることを開発者に警告し、プロジェクトのニーズに合わせたテストの候補を提案するようになるだろう。

GitHubはまた、Copilot for docsという実験的なツールを発表した。言語、フレームワーク、技術に関する質問など、ドキュメントに関する質問に対して、チャットインターフェースを使用してAIが生成した回答をユーザーに提供するものだ。最初はReact、Azure Docs、MDNのドキュメントに焦点を当てている。最終的には、あらゆる組織のリポジトリや社内文書にこの機能を導入し、開発者がChatGPTのようなインターフェースで質問し、即座に回答を受け取れるようにする予定だという。

エディターとプルリクエストに加えて、GitHubは開発者がかなりの時間を費やすターミナルを効率化した。開発者が時間と労力を節約できるように、GitHubはCopilot CLIをリリースする。Copilot CLIはコマンドやループを構成し、クエリを満たすための不明瞭なfindフラグを処理することができる。開発者は自然言語をターミナルコマンドに変換する今回のツールを利用するために、ウェイティングリストに参加することができる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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