メタバースとの関わりーー2023年はブロックチェーンゲームの年になる(3)

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駆け出しの市場

Polygonは2022年に4億5000万ドルを調達

(前回からの続き)以前、ブロックチェーンの要素を取り入れた火星探査のハードコアシミュレーションゲームで利益を上げている「Million on Mars」の成功について書いた。しかし、そのプレイヤー層はまだ1万人程度と少ない。

Goel氏は業界がまだ小さいので、ブロックチェーンゲーム人口の様々なセグメントをまだ考えていないと語った。暗号資産に精通したブロックチェーン愛好家はいるものの、市場にはまだ十分なブロックチェーンゲームが存在しないのだ。Goel氏は、ゲームのスタートアップやインディーズスタジオがブロックチェーンゲームをリードしていくだろうと考えている。

そして、新しい種類のゲームを考え出すことは「Call of Duty」に相当するような大人気タイトルのブロックチェーンゲームを発売するよりも良いことだと彼は指摘する。

「ブロックチェーンゲームには、今後も不釣り合いな量の資金が投入されることになると思います。私はブロックチェーンゲームの未来に大きく期待しています。より多くのチャレンジが最終的なゴールをもたらしてくれるでしょう」(Goel氏)。

大きな挑戦

Polygon

もちろん、すべてがうまくいくわけではない。スクウェア・エニックスのCEOである松田洋祐氏は、6月に退任して若手経営者をトップに昇格させると発表した。彼はブロックチェーンゲームの大きな提唱者であり、新技術に注力するために同社の欧米スタジオを売却した。(新CEOがブロックチェーンゲームに力を入れるかどうかは不明だ)。ブロックチェーンのアクティブなウォレットの数は、まだかなり少ない。そしてこの冷え込んだ市場環境がさらに企業を苦しめるようになれば、資金が枯渇する可能性もある。

また、ブロックチェーン関連企業はゲーム顧客をめぐって互いに競争しており、例えばImmutableXはSolanaとPolygonの両社からスタジオを奪い取るなどしている。Goel氏は、韓国の大手企業や日本の大手ゲーム会社の中には知的財産をブロックチェーン空間に持ち込んでいることを指摘する。

「ドミノ倒しのような現象が起き始めているのです。そして、それが欧米のゲーム開発者にとってどういう意味を持つのか。それはまだわからないと思います。そしてこの業界は非常にグローバルなのです」(Goel氏)。

その一方でマーケットプレイスやデータ分析、ウォレット、決済ソリューションなど、業界はインフラを改善する必要がある。ゲーム会社は、社内のスタッフをそのような仕事に専念させる必要はないはずだ。Goel氏は「我々は開発者ともっと密接に提携して支援したい 」と語る。

ブロックチェーンメタバース

ブロックチェーンゲームとメタバースとの交わりについてGoel氏は、 ゲームとメタバースは非常に密接な関係にあり、初期のメタバース体験は、人々が長い間コンテンツに関わり続けることを厭わないゲームになるだろうと述べた。

「メタバースのトレンドは今後も続くと思います。明らかに数百億ドルを投入する企業からの大規模な投資があるからです。そして、分散型メタバースを信奉するWeb3で構築している企業もあります。今後、さらに多くの大企業がこの領域に参入し、メタバース内でのゲーム化された体験やゲームが登場すると思います。しかし、真の意味でインパクトのあるメタバースはまだ出てきていません。時間がかかると思います」(Goel氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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