リカバリーモード

(前回からの続き)FTXのクラッシュは、間違いなく業界を覆うネガティブな出来事だったとGoel氏は言う。中央集権的な取引所と「真のブロックチェーン技術」による実現との間には違いがあるのだという点について議論する価値がある、そう彼は指摘し、FTXの影響はまだ数カ月は続くだろうと話していた。
1億ドルのファンドは、ゲームビルダーに資本を投下しようというゲームを含む、複数のバーティカルに焦点を当てたエコシステムファンドだ。同ファンドは現在も運用中で、同社は応募してきたビルダーを見ている。Goel氏によると、同ファンドはこれまでに数百件の投資を行ってきたという。
「背景にある考えは、多くのWeb3ネイティブビルダーたちはサポートを必要とし、資本を必要としているということです。私たちは、エコシステムを支援するために資金の一部を投入できる幸運な立場にあります。私たちが彼らを支援しているということが、ビルダーたちに自信を与えるのです」(Goel氏)。
Polygonはブロックチェーンゲームスタジオを完全に自社だけで資金支援するつもりではなく、他のファンドがブロックチェーンゲームに資金を投入してくれることを歓迎している。
Goel氏は、アクティブなウォレットの数がここ数カ月で戻っていることからも、ブロックチェーンゲームはすでに好調であると主張する。実際、DappRadarによると、ゲームはすべてのブロックチェーン取引の大部分を占めている。
「市場は冷え込んでいますが、かなり強く持ちこたえていると思います。強気市場であろうと弱気市場であろうと、プレイヤーはゲームをプレイするでしょう。もうひとつの好材料は、ファネルの上位を牽引する無料のデジタル・コレクティブルがたくさん用意されていることです」(Goel氏)。
これはプレイヤーが最終的に有料のプレミアムアイテムを購入をするようになった、無料ゲームの黎明期の頃を思い出させるものだという。
「ブロックチェーンゲームは、まだ初期段階です。少し俯瞰してみると、2000年当時(iPhoneが登場する前)のモバイルゲームについて予想を立てるような感じですね。注力すべきは開発者が市場に出ることを助けることです。消費者は何が好きなのかを教えてくれます」(Goel氏)。
ネガティヴなゲーマーの反応

Goel氏は、多くの欧米ゲーマーがブロックチェーンゲームを楽しさではなく、詐欺や金融遊びとして否定的な反応を示していることを認めている。
「テクノロジーなのかそれとも体験なのか、という二律軸ばかり注目されていました」とGoelは語る。
Goel氏はプロフィール写真や、何十万ドルもするお猿さんのJPEGを所有することに関する「文化的な動き」があることを指摘している。人々はそんなお金を使いたがらないのだが、プレイヤーはお金を払って購入した資産を、ただレンタルするのではなく、自分のものにしたいと考えているようだ。プレイヤーがデジタル資産に投資するのであれば、それを売却したり、取引したりして、何らかの利益を得ることができるはずだとGoel氏は言う。
「課題は企業が提供する(ブロックチェーン)ゲームが、素晴らしいものではないという事実にあります。さらに先を見なければならないのです」(Goel氏)。
モバイルの無料ゲームに対しても、10年前は大きな反発があったという。しかし、それがゲーム業界に新たなゲームを生み出し、今ではゲーム収益の最大の部分を占めるようになった。Goel氏は消費者がコレクターズアイテムに対して否定的な見方をしなかったアジアで、無料ゲームが最初に流行したことを指摘している。
「結局のところ重要なのは素晴らしい体験なのです。消費者としては、誰もテクノロジーのことなど気にしていません。あなたが私のために何を可能にしてくれているかが重要なのです。私たちは業界として、それをもっとうまくやらなければなりません」(Goel氏)。
次につづく:メタバースとの関わりーー2023年はブロックチェーンゲームの年になる(3)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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