韓国版スニダンKream、ユニコーン間近ファッションコマースAblyが各50億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(3月20日~24日)

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左から:Kream、Ably Corporation が日本市場向けに展開するファッションコマースアプリ「amood」
Image credit: Kream, Ably Corporation

3月20日~3月24日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは9件で、資金総額は1,253億ウォン(約125億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • リセールプラットフォーム「Kream(크림)」が506億ウォン(約51億円)を調達し、合計2,206億ウォン(約220億円)の調達でシリーズ C ラウンドをクローズした。今回の投資を受けて時価総額は9,700~9,800億ウォン(約970億〜980億円)と認められ、ユニコーン間近だ。M&A 戦略を通じ、日本、シンガポール、タイ、インドネシアなどアジア主要地域にコマースエコシステムを構築しており、今回調達した資金を活用し、グローバル進出を加速化する計画だ。
  • Ably Corporation(에이블리코퍼레이션)がベンチャーローンを通じて500億ウォン(約50億円)を調達した。累積調達額は2,230億ウォン(約223億円)に達し、女性ショッピング業界では最大。サービスローンちから4年で月間取引額が1,000億ウォン(約100億円)、年取引額が1兆ウォン(約1,000億円)を超え、ファッションプラットフォーム1兆ウォンクラブ入り。黒字転換を控えており、年内にはユニコーン達成を目標に掲げる。
  • AI ベースの電力インフラスタートアップ Crocus(크로커스)が64億ウォン(約6.4億円)を調達しあ。電気自動車急速充電システム 「Acelo EV(아셀로 EV)」と電力最適制御ソリューション「Acelo GRID(아셀로 GRID)」 を運営している。今回の投資を足がかりに、電気自動車充電システムの量産体制構築に注力し、下半期にはグローバル進出を本格化させる。
  • ペットトータルヘルスケアソリューションスタートアップ FitPet(핏펫)が同和薬品から50億ウォン(約5億円)の戦略的投資を受けた。同和薬品は FitPet が保有するペットヘルスケアデータベースを活用し動物医薬品を研究・開発する計画であり、両社は緊密な協力関係を構築していく計画だ

トレンド分析

投資家ラブコールから続くバーティカルとは

2023年は、韓国内外の金融市場が危うくなり、スタートアップにとってより困難な時期になると見込まれる。 Startup Recipe が発表した月間投資レポートによると、1月の資金流入額は昨年同期比で80%下落、2月には総投資額が2,000億ウォン(約200億円)未満、3月は総投資額は2,000億ウォン(約200億円)台に留まると予想される。しかし、ファッション、美容分野は依然として大型資調達を続けており、この領域で高級、限定版製品などを流通するプラットフォームは特に注目されている。

関連企業は最近、大規模な投資ニュースを伝えた。先週、リセールプラットフォーム「Kream(크림)」が506億ウォン(約51億円)を調達し、シリーズ C ラウンドを2,270億ウォン(約227億円)の調達でクローズした。時価総額は9,800億ウォン(約980億円)と認められ、ユニコーン入りも間近と見られる。ファッションコマース Ably Corporation(에이블리코퍼레이션)もベンチャーローンを通じて500億ウォン(約50億円)を調達し、年内の黒字転換を期待している。

ビューティー・ファッションブランドを保有する APR(에이피)は80億ウォン(約8億円)のプレ IPO 調達を実施して上場を控えており、「Guhada(구하다)」も80億ウォン(約8億円)を調達するなど、ハイブランド系プラットフォームが依然として人気分野であることを確認することができた。 これらは、グローバルなスケーラビリティ、黒字転換など、確実な今後の成長可能性を証明し資金調達を通に成功している。 今年に入って、シリーズ C ラウンド以降のレイター調達に成功した企業がほとんどいない中、彼らが調達した資金のおかげで、第1四半期の投資額が下落するのを免れる見込みだ。

アーリー調達でもファッションスタートアップは投資家の関心分野だ。Mine.is(마인이스)は中古衣類を商品化するプラットフォーム「Charan(차란)」で、シードステージのみで41.5億ウォン(約4.2億円)を調達し、中古ファッションプラットフォームの人気を立証した。また、環境にやさしいソリューションを提示するなど、技術に裏打ちれたアーリーファッションスタートアップは大企業の戦略的投資の対象となっており、最近ではビューティー・ファッションインフルエンサーの創業も目立っている。また、年齢や性別などに焦点を当てた特定分野のバーティカルサービスも人気を集めている。

ファッションプラットフォームが相対的に大規模な資金を誘致しているが、ここ数年間続いた投資バブルで時価総額の上振れ問題をはじめ、放漫経営、職員解雇、リーダーシップ不在など内紛を経験しているのも事実だ。現在、金融市場の不確実性と不況から、スタートアップはより慎重な資金計画と経営戦略を求められ、これはファッションプラットフォームも例外ではない。資金調達を成功裏に導くためには、継続的成長の可能性を証明しなければならない課題が残っている。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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