Baidu(百度)、中国版ChatGPT「ERNIE Bot(文心一言)」に関する憶測を否定など——中国スタートアップシーン週間振り返り(3月20日~24日)

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Baidu(百度)の「Ernie Bot(文心一言)」記者会見で説明をする Robin Li(李彦宏)氏
Source: Baidu(百度)の公開動画から

本稿は、Technode(動点科技)が、3月20日〜3月24日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Baidu(百度)、同社の中国版ChatGPT「ERNIE Bot(文心一言)」が裏で他社ボットの結果を利用しているの憶測を否定(3月24日)

Baidu(百度)は23日、同社の中国版 ChatGPT「ERNIE Bot(文心一言)」のテキストから画像への変換機能は、独自のクロスモーダル生成ビッグモデル「ERNIE-ViLG」によって動作すると発表した。これは、Baidu のプラットフォームが、プロンプトを英語に翻訳し、他社の AI ツールを使用して結果を生成しているかもしれないという最近の憶測の中で発表されたものだ。あるインフルエンサーは、中国語で「一可以豆子」という不可解な言葉から絵を描くようボットに要求してテストしたと主張した。

その結果、「Turkey(国名)」というプロンプトから描かれた七面鳥の画像など、ERNIE Bot が誤って生成した画像をソーシャルメディアに投稿するユーザが続出した。その後、Baidu は、以前は誤った画像を生成していたプロンプトを修正し、「トルコ」というプロンプトに対して熱気球やトルコの少女が表示されるようになるなど、問題の一部に対処した。

批判が高まる中、Baidu は23日に Weibo(微博)を通じて声明を発表し、ERNIE Bot は「完全に Baidu 独自の大規模言語モデル」であり、世界のインターネット公開データを使用して学習させたものであると主張した。Baidu は、このツールは今後も AI が生成する画像機能を開発して微調整していく予定であり、自己研究力を示すものであると付け加えている。同社はまた、ユーザに ERNIE Bot に時間を与え、噂を流さず、その能力を信じるよう訴えた。動点科技

ByteDance(字節跳動)、大規模AIモデル構築のため元Alibaba(阿里巴巴)の専門家を採用(3月23日)

ByteDance(字節跳動)は、Alibaba(阿里巴巴)の大規模 AI マルチモデル「M6」を統括するチームの元責任者 Yang Hongxia(楊紅霞)氏を AI ラボのリーダーとして採用し、ジェネレーティブ大規模言語モデル(LLM)を構築したと、地元テックメディア「36Kr(36気)」が報じた。

Yang 氏は Alibaba に入社する前、デューク大学で統計科学の博士号を取得し、Yahoo の主席データサイエンティストとして働いていた。ISI 世界統計会議への Yang 氏の説明によると、認知知能に関する彼女の専門知識は、Alibaba がパラメータ10兆個を持つ M6 を立ち上げ、ショッピングアプリ「Taobao(淘宝)」と決済アプリ「Alipay(支付宝)」の検索・推薦精度を向上させるのに役立ったという。

ChatGPT の成功により、テック大手が競争力を維持するために製品やサービスにおける AI の適用を再評価することを後押しする中、ByteDance は独自の AI 言語モデルの開発に熱心だ。ByteDance は、AI モデルにおいて画像と言語を優先する計画であると伝えられており、前者は、「Douyin(抖音)」の兄弟プラットフォーム「TikTok」と並んで同社の2大成功アプリである短編動画プラットフォーム Douyin と動画編集ツール「CapCut」に統合する予定だ。36気

Alibaba(阿里巴巴)、ローカルサービスアプリ「Koubei(口碑)」を「Amap(高徳地図)」に統合(3月23日)

中国メディア「LatePost(晩点)」によると、中国のデジタルナビゲーションツール「Amap(高徳地図)」は、アリペイのローカルサービスアプリ「Koubei(口碑)」と合併するようだ。この合併は、22日に行われた Alibaba の社内会議で発表されたとされ、Amap からは社長の Yu Yongfu(俞永福)氏を含む幹部が出席している。 「Alipay(支付宝)」のミニアプリとして運営されていた Koubei アプリは、ユーザが地元の商店を探し、注文、支払、レビューを書くことができる。

Alibaba と Ant Financial(螞蟻金融)が2015年に設立したこのプラットフォームは、近年、Meituan(美団)の支配と Douyin(抖音)のローカルサービス分野への参入の中で、関連性に苦慮している。Amap と Koubei のチームは、次の四半期に2つの製品を統合し、合併後のビジネスの方向性を探るために協力すると、報告書は付け加えた。LatePost によると、Koubei の事業責任者 Zhang Liang 氏は、合併の一環として、Amap の COO Guo Ning 氏に直接報告することになるという。晩点

Meituan(美団)、Pony.ai(小馬智行)と提携し自動運転フードデリバリを加速(3月23日)

自動運転車を開発する Pony.ai(小馬智行)は、中国のテック大手 Meituan(美団)と提携し、フードデリバリサービス用の無人車両を製造すると22日に発表した。これは、トヨタの支援を受けたユニコーンである Pony.ai が、自社技術のライセンス供与と新たな収益源の模索する最新の動きである。両社は、2024年末までに、少なくとも1万台のデリバリロボットが中国一級都市の交通量の多い都市道路を走行することを期待している。

これらのロボットは、Pony.ai の高度自動運転コントローラを搭載し、Nvidia のプラットフォーム「Drive Orin」をベースとする予定だ。当初、Pony.ai は配車サービス用の完全自動運転車を自社で設計していたが、現在は自動車メーカーや貨物輸送から公共衛生まで、自律型産業に対応する企業向けの自動運転システムの開発への取り組みを強化している。他のパートナーには、国有自動車メーカー FAW(第一汽車)や、ソフトバンクが支援するフードデリバリスタートアップ Neolix(新石器慧通)などがいる。小馬智行

Baidu(百度)、「ERNIE Bot」連携クラウドサービスを27日に提供開始(3月21日)

中国の検索大手 Baidu(百度)は、同社のクラウドサービスと、新たに提供を開始した ChatGPT 代替ツール「ERNIE Bot」を連携する予定だ。同社は、チャットボットツールのデビューから11日後の3月27日に新製品発表イベントを開催すると発表しており、そこでさまざまな関連クラウドサービスや製品を発表する予定だ。

この発表の中で Baidu は、農業、工業、金融、教育、医療などさまざまな業界の企業が、モデルやアプリケーションを開発するために適切なクラウドサービスや製品を選択できるようになると述べている。また、Baidu は、21社が ERNIE Bot に関連する協力協定を締結し、10万社以上が ERNIE Bot の API に応募していると発表した。百度

<3月28日更新> Baidu は27日、ERNIE Bot の発表イベントを中止し、代わりに潜在的ユーザとなり得る企業に対し、クローズドで説明を行うと明らかにした。(Weibo での発表

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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