ディープテック発掘型起業支援「1st Round」、九大や有名私大3大学が加わり13大学共催体制に——ロゴも変えブランド刷新

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Image credit: UTokyo IPC

東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は15日、同社が運営する起業支援プログラム「1st Round」に新たに、九州大学、慶應義塾大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学が参画することに合意したと発表した。1st Round には当初の東京大学に加え、筑波大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、神戸大学、名古屋大学、一橋大学、北海道大学が参加している。今回の4大学の参加表明により、1st Round には合計13大学が参加することになる。

1st Round は2019年にスタートした起業支援プログラムで、東大 IPC が2017年から展開していた「起業支援プログラム」が前身。スタンフォード大学出身者向けアクセラレータ「StartX」をベンチマークとして、起業を目指す卒業生・教員・学生などのチーム、資金調達を実施していない大学関連のシードベンチャーに対し、各社最大1,000万円の活動資金、ハンズオン支援を6ヶ月間提供。採択チームはプログラムに毎回迎えられるパートナーから、PoC や協業の模索、事業化に向けてのリソース支援を受けられる。

一般的にインキュベータやアクセラレータは、創業当初のシード資金を拠出する代わりに、投資先となるスタートアップから一定の株式の提供を受ける。ステージとしてはアーリーながら、基本的にはベンチャーキャピタルと同じモデルだ。しかし、1stRound では、発掘しないと見出せない大学の研究室などで進化している技術——いわゆるディープテックのチームと協業したい大企業をパートナーに迎え、東大 IPC やパートナーの協賛金などで運営しているため(コンソーシアム型)、チームは法人設立前後にかかわらず、株式の提供を求められない。

Image credit: UTokyo IPC

1stRound を統括する東大 IPC のマネージャー長坂英樹氏によれば、これまで全国のさまざまな大学に 1st Round への参画を呼びかけてきたが、大学によっては、すでに独自の類似プログラムを展開しているケースもあり、1stRound に参加する大学ネットワークの拡大は、ひとまずここでピリオドを打つことになりそうだ。今後は参加する13大学との関係性を深め、より多くの有望チームの発掘や支援に注力することになりそうだ。

「1stRound」では過去6年半で(起業支援プログラムの頃からのカウント)、累計68チームを採択し、会社設立や資金調達を支援してきた。支援後1年以内の資金調達成功率は約90%以上、大型助成金の採択率50%以上を達成、コーポレートパートナーなど大手企業との協業は31件に至っている。

東大 IPC では今回の 1st Round 拡大を転換期と捉え、1st Round の新たなブランドロゴも発表した。日本から世界を見据える起業家を念頭に、ロゴは小さい体で羽ばたくハチドリをモチーフにした。また、ハチドリには旅人を導くという言い伝えもあり、1stRound が日本の技術シーズを世界へ導くとともに、起業家が次の起業家を導く主体性のあるプログラムにしていきたいという願いを込めたとしている。

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