イーロン・マスク氏、OpenAI対抗のAI企業を静かにスタートーーその名は「X.AI」。

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Image Credit: Flickr / Daniel Oberhaus / CC BY 2.0

イーロン・マスク氏が、OpenAIと直接競合する新しい人工知能(AI)スタートアップ「X.AI」の立ち上げを準備してるらしい。Wall Street Journalが金曜日に驚くべき内容を伝えた。

記事によると、マスク氏は先月ネバダ州でX.AIを設立し、この未公開企業の1億株分を売出を承認している。州への提出書類によるとマスク氏は新会社の唯一の取締役のようだ。ちなみにJared Birchall氏はマスク氏の腹心であり、彼のファミリーオフィスの取締役で秘書的な役割を務めている人物だ。

これに先立ち、Financial Timesは、マスク氏が新しいAI企業を立ち上げるという独自の記事を掲載している。この記事によると、マスク氏はAI研究者やエンジニアのチームを編成しており、採用活動はAlphabet傘下のDeepMindなどの大手AI企業の従業員にも及んでいるらしい。

さらにFinancial Timesは、マスク氏がSpaceXとTeslaの複数の投資家と、彼の新しいAIスタートアップへの出資について話していることも伝えている。記事によれば「大勢の人が投資している。それは本物で、彼らはそれに興奮している」と、この話を直接知る人物はFinancial Timesに証言する。

新会社の名前は、マスクが昨年Twitterで発表した、あらゆるものを生み出す野心的なアプリ「X」という名に由来している。彼は最近、Twitterの社名をX Corpに変更し、法人設立をデラウェア州からネバダ州に移している。なお、X CorpにはX Holdings Corp.という親会社がある。

一方のマスク氏は、人工知能の潜在的な危険性と規制・監視の必要性について懸念を表明しており、今回の新事業はその一環だとしている。マスク氏は2015年、著名な技術系起業家や研究者たちと共にOpenAIを共同設立し、害をもたらさず、企業や政治の思惑に左右されずに人類に利益をもたらす人工知能を作ることを目標に掲げていた。

最近のSemaforのレポートによると、マスク氏は2018年にOpenAIの買収を試みて失敗したと伝えられている。その後、自動運転車のAI技術も開発しているTeslaでの仕事と利害が対立する可能性があるとして、OpenAIの役員を退いた。マスク氏は、OpenAIが人工一般知能(AGI)を追求していることも批判している。これは、人間ができるあらゆる知的作業を機械が行う能力のことである。

火曜日、Business Insiderは、テスラの億万長者が新しいAIプロジェクト用におよそ1万個のグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)を購入したと報じた。テック企業は通常、新しいAI技術に必要な計算作業量を処理するためにGPUを使用する。

VentureBeatは、マスク氏の新しいAI会社について、OpenAIとTwitterにコメントを求めている。返答があった場合は、この記事を更新します。

Update 5:48 PT:OpenAIの共同設立者兼CEOのSam Altmanは、自身のTwitterアカウントを通じて、Wall Street Journalの報道に対して一言「Concerning」という声明を発表した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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