Quora、チャットボットメディア「Poe」に目的に合わせ自作ボットを作れる機能を追加

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Image credit: Poe

大規模言語モデル(LLM)を利用したチャットボットの作成を支援するプラットフォーム「Poe」は、誰でもわずかな言葉を入力するだけで独自のチャットボットを作成できる新機能をローンチした。

この機能は、14日にすべての Poe ユーザに展開され、誰でも短いテキストプロンプトを書き、新しい作品のベースとして既存の LLM を選択できる。ベースとなるのは、汎用会話エージェントの代表格である「Claude Instant」か「ChatGPT」のどちらかである。

ユーザが作成したプロンプトとベースの LLM を使用して新しいチャットボットを生成し、カスタマイズして他の人と共有できる。Poe は、この方法によって、目的や性格の異なる多種多様なチャットボットを生成できると説明する。

Poe を所有・運営する Quora の創設者 Adam D’Angelo 氏は、次のように述べている。

Poe 上のコミュニティとインターネット全体の両方で、LLM 上のプロンプトに関する多くの素晴らしい実験を見てきました。この新機能が、プロンプトの才能がある人たちがその能力を世界中の人たちと共有し、誰もがAIを最大限に活用できるようなシンプルなインターフェースを提供できることを願っています。

新機能の可能性を示すために、Poe は、サンプルボットを立ち上げた。剣呑なブッカニア(編注:17世紀にカリブ海で活動した海賊)のように話す「PirateBot」、ウィットに富んだ返事でユーザーを侮辱する「Roastmaster」、料理のヒントやレシピを与える「Chefbot」などだ。

D’Angelo 氏によると、Poe はチャットボット作成者にとって、さまざまなデバイスやプラットフォームで動作するユーザフレンドリーなインターフェース、簡単に共有・アクセスできる各ボットの固有のURL(poe.com/chefbotなど)、ユーザが発見・フォローできるベストボットの厳選、LLM の使用料をカバーする費用無料のサービスなどのメリットを提供するという。

また、D’Angelo 氏によれば、Poeでチャットボットを作成するのにコーディングスキルは必要なく、同社はより高度なボット開発とホスティングを可能にするAPIを開発中であるとのことだ。この API は、基本的にユーザが運営するサーバからボットをホストできるようにするものである。ベータテストへの参加を希望する開発者は、[email protected] までご連絡いただきたい。

デジタルアシスタントやボットの普及

Poe のアップデートは、ここ数週間のパーソナライズされた AI チャットボットに関するニュースの中でも、最新のものである。先月は、OpenAIAnthropicMicrosoftGoogleなど、業界の多くの大企業が主要な製品を発表し、話題を呼んだ。

今回のアップデートにより、Poe は有名人から架空の人物まで、さまざまな人格を模倣できるチャットボットを生成する能力で注目と資金を集めている人工知能スタートアップ Character.AI と直接競合することになった。

元 Google の開発者が設立した Character.AI は、先月1億5,000万米ドルを調達し、評価額は10億米ドルに達したこの業界では数少ないユニコーンの1つとなっている。

Poe も Character.AI も、ユーザを楽しませ、教育し、お気に入りのキャラクターやブランドと結びつけることができる、パーソナライズされた没入型のチャットボット体験に対する需要の高まりを利用している。Grand View Research のレポートによると、世界の会話型 AI 市場は2028年までに139億米ドルに達すると予想されている

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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