本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします
アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。
今回のゲストはSUSHI TOP MARKETINGの代表取締役、徳永大輔さんです。
企業と個人がトークンでコミュニケーションする「トークングラフマーケティング」の手法で広告やメディア、商業施設・デベロッパー、小売業(特にアパレルブランド)などの領域でビジネスを展開されているのがSUSHI TOP MARKETINGです。物理的な場所でNFTを配布する場所づくりやQRコードを活用した価値追加など、さまざまな可能性を追求されている徳永さんにお話を伺いました。5回連続でポッドキャストから一部をテキストにしてお送りします。
ポッドキャストで語られたこと
- 出版社からクリプトへ
- Web3で変わるネットにおける「所有」
- Web3マーケティングの新概念「トークングラフ」とは
- トークングラフの応用例、音声でNFTを配る
- 音声でNFTを配る、というアイデア
- NFTハラスメントにどう対応する
唐澤:(中略)この夏にスノーデンが(中略)同じことを言っていました。彼は交通道路ととらえて、何の車が走ってるというぐらいまではいいんだけれども、車の中に誰がいて何をしてるかまで含めて実は筒抜けだと。それをGAFAが勝手に見れているという状態を想像してくださいと。(中略)トークングラフマーケティングは、その時点でユーザーの理解を得てるというか入り口の入り方が違うというのがあるんですかね。
徳永:(中略)トークングラフマーケティングに関して言うと、別に何かを置き換えようとは全く思ってないしそれは違うと思うんですよ。
(中略)何ができるかというと、僕らのシステムは音声でNFTを配るみたいなこともできるんですよ。それでやるとポケモンGOみたいな感じで特定の場所、渋谷のハチ公前とかに来るとBGMが上がってて、そこで渋谷ハチ公のNFTがもらえるとか。
あるいは1個のQRコードやURLに1個のNFTのミントを封印するみたいな技術を僕ら特許申請してるんですよね。これが面白くて、この前ガンダムのシャアとマクドナルドがコラボしてたんですよ。そのときにシャアのハンバーガーをパカッと開けると中に固有のQRコードがあって、それを1回スキャンすると、赤いザクのNFTがもらえる。
2回以降、スキャンしても使えなくなると。そうなるとマクドナルドのパッケージとか消費財のパッケージとかの中にデジタルデータを封印して売ることができる。(中略)そもそも僕らテクノロジーでやってるんで、このテクノロジーを使わなくてもできることをやる意味はないと思ってるんですよね。このテクノロジーがあるからこそできることをやろうとしているわけなんで、Web3ならではの広告をやろうとしています。
唐澤:マーケティングをやっていくとスペシャルでオンリーなものを付与していくみたいな概念自体は昔もありましたよね。シャアのハンバーガーを1個開けたら1個出てきてそれをスキャンしたらもう終わりということを、既存の技術で実現しようと思ったらめちゃくちゃ大変で。めちゃくちゃコストをかけてやんなきゃいけなかったのか、できたらいいねと思うんだけど、やりにくかった。
徳永:東急と阪急の2つの電鉄会社がコラボするのはなかなか難しいじゃないですか。駅のスタンプラリーアプリとかがなんで難しいかというと、まず共通のデータベースを作ったりとかを人がやらないといけない。それは独自の会社のデータベースです。だけどこれがブロックチェーンだと共通のインフラに乗っかってるからデータベースとかでも丸投げできる。ウォレットの中に東急と阪急の駅のスタンプが長く並ぶみたいなことができるんで簡単そうですよね。
唐澤:企業間のコラボも本当にそうで、ブロックチェーンプロトコル自体の性質が一つの企業に閉じてないんで、共通の資産というかコモンズみたいなものを活用して複数の企業とコラボしやすくなる。
徳永:公共物と言われる所以です。アプリとか作る側の人の視点で言うと、すごい説明しやすくて、今までは自分でデータベースとかサーバーとか立てないといけなかったのが全部ブロックチェーンに丸投げで、しかもその管理とかAWS代とかも別にいらないわけですよ。
こういうのが今まではできなかったんですよね。頑張ったらできたけど、企業もキャンペーンやるときに個人情報取りたくないんですよね。取る難易度もさることながら、持つことに対して非常にルールが多くて、オペレーション負荷もあるので、できるだけ取らないでやりたい、でも関係性は取りたい。この二つを満たす一つのソリューションという感じです。
唐澤:音を使うのは非常に新しい試みだと思います。国内だとやってるところは僕も聞いたことないですよ。
徳永:世界でうちしかできないですね。(中略)非可聴音という犬とか猫にしか聞こえない音をトリガーにしてブラウザに聞かせるのでアプリがいらない。ウォレットがなくても僕らのシステムで自動的に仮ウォレットみたいなのを作って、そのファイルで誰でもNFTを受け取れる。
何よりも雑音とかに強い。人間の耳で聞こえるぐらいだったら渋谷のうるさいところでも配れるし、音声自体も音源は何でもいい。この前結構面白いことを音声のシステムでやって、RKBという福岡のテレビ局の深夜番組なんですけれども、それに2分ぐらいバーチャルYouTuberの曲をかけて、(中略)見てた人がバーチャルYouTuberのNFTを受け取るみたいなことやったんですけども、テレビでも成功したんですよね。 リアルの空間に実装できるというのがやっぱり面白いですよね。
唐澤:コンビニとか施設とかでモスキート音を鳴らしてるじゃないですか。入ったらタイムセールスできますね。
村上:すごい数売れるんじゃないですか。コンビニに全部くっつけて。
徳永:いろんなやり方があって、コンビニのレシートに入れ込むこともできるし、コンビニの音でもできるし、(中略)集客にすごいプラスなんですよね。回遊をさせるのが得意なんで、同じコンビニでも神保町店、大手町店・三田店で全部集めると何かもらえるみたいな企画をすることによって、お客さんにスタンプラリーに参加してもらうみたいなこともできる。
唐澤: タイでNFTを配って回遊させることをやったことあるんですけど、8割がコンプリートしてましたね。意外と馬鹿にできないというか。
徳永: 特に観光でやるといいですね。(中略)NFTを活用した特に聖地巡礼とかですごい市場がある。名古屋で「五等分の花嫁」とか静岡で「ラブライブ!サンシャイン!!」とかもそれをやると何がいいかというと、どうしても手に入れたい人がいるんですよね。(中略)価値がついてブランドがポジティブに動いてくると。
唐澤:もう一つ聞きたかったのは、(中略)今ブラウザベースで運営されているじゃないですか。URLをクリックしたらブラウザに行って、一旦ウォレットが作られていく。(中略)結構ハードルがあると思われるんですけど、そのあたりはどういうふうに考えていますか。
徳永:一番僕らに来るクレームで多いのは、「受け取ったけどどこに行ったかわからない」というものです。 実際トランスファーはいつでもできて、ブラウザで受け取ったものを本番ウォレットに送るみたいな機能もあるんですけれども、受け取ったときのUXの悪さみたいなところはブラウザベースとはまた別のものを作って改善しようとしているところです。
あとUXでいうとメタマスクでノンカストディアルで、これ自体が難しいんですよ。秘密鍵を個人で管理するということが。 考え方によってはある種Web3の概念とはそもそも矛盾するようなんですけれども(中略)当然そういうときにコントラクトウォレットと呼ばれてるものがありますと。TwitterとかGmailとかのアドレスでそのままウォレットアドレスに紐づいてログインできるんですよ。 一度それとの連携みたいなことも方向性として張っていて、Twitterとかでログインして管理できますよ、の進化は方向性の一つのオプションとして用意しています。
(中略)
次につづく:NFTハラスメントにどう対応する/SUSHI TOP MARKETING 徳永 × ACV唐澤・村上(5)
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