Jack Ma氏が帰国しChatGPTの可能性を語る、テック各社のChatGPT関連の動きなど——中国スタートアップシーン週間振り返り(3月27日~31日)

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Yungu Education(雲谷教育)で談笑する Jack Ma(馬雲)氏WeChat(微信)
Image credit: Yungu Education(雲谷教育)

本稿は、Technode(動点科技)が、3月27日〜3月31日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Tencent(騰訊)、ChatGPT の対抗馬を開発中であることを確認(3月31日)

Tencent(騰訊)は、OpenAI の ChatGPT に似た AI チャットボットサービスに取り組んでいると、Tencent(騰訊)クラウド&スマート産業グループ(雲與智慧產業事業群)の社長 Tang Daosheng(湯道生)氏は30日、Boao Forum for Asia(博鰲亜亞洲論壇)で語った。このサービスは WeChat(微信)や QQ などのメッセージアプリに統合されるのか、それとも Tencent Cloud(騰訊雲)を通じてビジネス顧客にサービスを提供することを意図しているのか、という質問に対して、Tang 氏は「その両方だ」と答えた。

Tencent 社長の Martin Lau(劉熾平)氏も、同社の最新の決算説明会で ChatGPT 的なツールの開発について言及し、チャットボットは Tencent がローンチを準備している多くのアプリケーションの1つになるが、同社は ChatGPT をすぐに取り組む必要のある「ビジネスの脅威」とは考えていない、と述べたという。財連

Kuaishou(快手)、2022年に80%以上の赤字削減——ChatGPT 関連技術への投資を約束(3月30日)

中国の短編動画事業者「Kuaishou(快手)」は、2022年の損失が82.5%減の137億人民元(約2,660億円)に大幅に縮小したことを、最新の決算で明らかにした。2022年の同社の総収入は前年比16.2%増の941億8000万人民元(約1.83兆円)だった。Kuaishou は昨年、国内で初の黒字となり13億人民元(約252億円)を記録したが、海外製品では依然として損失を出している。北京に本社を置く同社は、12月末までの四半期に、同社の短編動画プラットフォームの1日平均アクティブユーザ数3億6,620万人、月間アクティブユーザ数6億4,000万人に更新した。

また、この期間中、ユーザは平均133.9分間を同プラットフォームで過ごした。一方、Kuaishou では、プラットフォームを通じて完了した e コマース総売上高が30%増加し、9,000億人民元(約17.4兆円)以上となった。CEO の Cheng Yixiao(程一笑)氏は、決算説明会で ChatGPT 的な技術の進歩について触れ、ジェネレーティブ AI は Kuaishou のビジネスに連携するための「豊富なシナリオと大きな可能性」を持っており、同社は関連技術の革新と躍進に長期投資を行うことを約束したと述べている。快手

Baidu(百度)とゲーム会社 Giant(巨人網絡)、中国初の AI モバイルゲームキャラクタ「Space Shark(太空鯊)」をローンチ(3月29日)

中国のゲーム販売会社 Giant Interactive Group(巨人網絡集団)と Baidu(百度)の AI チームは27日、中国初の AI 開発によるモバイルゲームキャラクター「Space Shark(太空鯊)」を共同開発したと発表した。Baidu の技術サポートに基づき、Baidu の ChatGPT 代替ツール「ERNIE Bot(文心一言)」と同じ技術を使用して、両社はオンラインゲーム「Super Sus(宇宙人狼)」で Space Shark を発表した。

「ERNIE Bot のモデリングチームが、AI 画像のトレーニング、生成、詳細最適化を担当している。我々のチームが、全体的な企画とゲーム内の開発を担当した」と Giant の社員は Star Market(上海証券取引所科創板)に語った。Super Sus は、ユーザが独自のルールを作り、新しいスキンや画像などの UGC(ユーザ生成コンテンツ)を追加することができる。上海証券取引所科創板

Alibaba(阿里巴巴)創業者 Jack Ma(馬雲)氏が中国に帰国、ChatGPT の可能性を語る(3月28日)

Yungu Education(雲谷教育)の WeChat(微信)投稿によると、Alibaba(阿里巴巴)創業者の Jack Ma(馬雲)氏は、1年以上ぶりに中国で公の場に姿を現し、3月27日に Alibaba が出資する Yungu School(雲谷学校)で教育の将来について議論した。Ma 氏は、ChatGPT などのテクノロジーが伝統的な教育に課題をもたらしたが、我々はまだ AI 時代の始まりに過ぎないと主張した。また、AI の実践は問題解決に重点を置くよう呼びかけた。

人間の体力や精神力は機械に劣るが、機械にはチップコアしかなく、人間にはハートがあると、Ma 氏は学校関係者に話した。2020年末に Ant Financial(螞蟻金融)が IPO を頓挫させた後、長い間不在だった Ma 氏の登場は、中国政府が低迷する経済の復活を願い、テック企業との関係改善を試みている中で実現した。雲谷教育

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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