「死」にフォーカスした理由 /Webacy 五十川 × ACV唐澤・村上(2)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

今回のゲストはWebacy CEO、五十川舞香さんです。

幼少期に渡米し、スタンフォード大学でエンジニアリングを学び、Microsoftでサイバーセキュリティ業務に携わる一方、シルク・ドゥ・ソレイユにも参加するなど異色のキャリアを辿った五十川舞香さんに、サービスのことからWeb3における女性活躍の話題まで幅広くお聞きしました。6回連続でポッドキャストから一部をテキストにしてお送りします。

ポッドキャストで語られたこと

村上: 汎用性が高い中で特に「死」にフォーカス当てるのは結構尖っているなと。そこから始めようと思われたのはなぜですか

五十川: 死から始めた理由は、自分のいとこが亡くなったこともきっかけですが、それ以上に死のような日常生活に紐づくトピックは私たち人間としてよくわかるトピックだったからです。(中略)

村上:怪我とかより本当にどうしようもない一番難しい課題を最初にやられると。それに関連する汎用的な解決、さっきのバックアップウォレットとか、そういうのをどんどん広げて何も意識しなくても大丈夫なセキュリティに作っていくと

五十川: そうです

唐澤: 五十川さんから見たときに死とかスパムとかパスワード忘れとかは、ユーザー層がすごく広いわけじゃないですか。みんなが経験することなので、マーケットとしてすごく広く捉えられると。(中略)一方で死とかセキュリティ全般に言えることなのかもしれないですけど、いつ発生するかわからない、発生頻度も予想できない難しさがあるじゃないですか

特にC向けにやっていくと頻度高く思い出して使ってもらうとか、そういうのも一定大事なのかなと思ったときに、今のターゲットだとユーザーが毎日見るような感じにはならないのかなと思っていて、そこに関してWebacyとしてはどんな策を考えているんですか

五十川: これはすごくいいポイントですね。(中略)私たちはコンシューマーひとり一人よりもBtoB、その他の会社と一緒にテクノロジーを作ることに向かっています。目指しているものは個人が考えなくても普通にWeb3を楽しく過ごせることなので(中略)。その他の会社の人と一緒にパートナーシップを作ったり、私たちのテクノロジーで解決することに集中しています。

唐澤: あくまでコンシューマー向けはトランザクションをある程度確保するためのもので、マネタイズとか、実際今後広げていくのはエンタープライズとか、いろんな業界の人とコラボしていくみたいなことをイメージされてるということですかね

五十川: そうですね。私たちのロードマップは消費者の視点を忘れないように、他のプロダクトやサービスを作っています。モニタリングとかの通知センターとかひとり一人に意味があるサービスを頑張っています。

唐澤: 数年前、アクセンチュアではフィンテックが流行ったときに、アクセラレーションプログラムみたいなものをやっていました。グローバルのスタートアップを何社かご支援しましたが、そのうちの一社はクリプトと関係ないマレーシアの会社が(中略)「結局亡くなった後にアセットがどこにあるのか全然わかんないよね、家族がいろんな銀行に問い合わせて大変だ」みたいな話があって、生前に資産管理も兼ねて、死後にどういう分配するかを決められるサービス展開をされていましたが、マネタイズに対するハードルが高くて、当時、僕たちが保険会社とマッチングさせました。

すごいシナジーがあって、保険会社からしてみたらアセットがわかるんですよね。個人とアセットがわかるということは、保険商品等々も含め提案できる余地があるかが分かるので、確かにB向けからしてみたら喉から手が出るぐらい欲しい情報だったりするなと。Webacyもそういうところも一つの可能性としてあるかなと聞いて思いましたね。

五十川: そうですね。

次につづく:デザインがかわいいワケ /Webacy 五十川 × ACV唐澤・村上(3)

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