デザインがかわいいワケ /Webacy 五十川 × ACV唐澤・村上(3)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

今回のゲストはWebacy CEO、五十川舞香さんです。

幼少期に渡米し、スタンフォード大学でエンジニアリングを学び、Microsoftでサイバーセキュリティ業務に携わる一方、シルク・ドゥ・ソレイユにも参加するなど異色のキャリアを辿った五十川舞香さんに、サービスのことからWeb3における女性活躍の話題まで幅広くお聞きしました。6回連続でポッドキャストから一部をテキストにしてお送りします。

ポッドキャストで語られたこと

唐澤: Webacyは元々スタートはクリプトですが(中略)Web3じゃないデジタルアセットに対応されようとしてると思うんですけど、この辺りの狙いとか(中略)教えてもらってもいいですか

五十川: Web3はWebacyのコアのテクノロジーですが、実は2021年に始めたとき、人のデジタル人生を全部考えていたんです。例えばSNSのアカウントとか、FacebookやTwitterのアカウントの情報を集めたり、それをどうやって隠したり消したりとか。(中略)ただ、そこは私たちが狙ってる年齢層があまり考えてないものですよね、今クリプトに入っている人は多分、20歳から50歳ぐらいの年なので(中略)トラクションが足りなくてWeb3利用の方が進んでいきました。

唐澤: 順番としては後からWeb3をやり始めたということですか

五十川: 同時でした

唐澤: テストしてみたら実はWeb3の方がトラクションがより多かったと。おもしろいですね。世代によって捉え方も違いますもんね。何を自分のアセットとして認識するか(中略)。事前にいろいろ触ってて面白いなと思った他の機能として、Grimmies(グリムズ)というNFTを発行されていますよね。これはどういう狙いで始めたんですか

Grimmies(グリムズ)

五十川: GrimmiesはNFTコレクションみたいなものです。グリムリーパーのキャラクターをアニメっぽく(中略)してコレクションにして、Webacyのアクセスパスとして作りました。(中略)将来は他のユーティリティになる可能性が高いですが、今はGrimmiesを持っていないとWebacyを使えません。今のホルダーはWebacyのサービスを無料で使っていますけど、ベータテスターみたいなものになっています。

唐澤: NFTとしてトークンゲートみたいな形で今使われてるということですよね。これちなみにデザインは僕は結構好きで、かわいい。フロアプライスで一番安いやつじゃなくてもうちょっと高いやつを買ってしまって

五十川: ありがとうございます。女性アーティストのデザインです。

村上: Panic Buttonみたいに話をかわいくしてるところがユーザーにとっては受け入れやすくて、そういう工夫とかされてるんだなと思いました。そういうところは意識されているんですか(中略)

五十川: そうですね。デザインについて結構考えてましたけど、グリムリーパーは普段結構怖いキャラクターなんです。死とかセキュリティについて話すのは難しいトピックだと思います。特に家族とか一緒に話さなければいけない時とか、結構難しい会話になるなというときもありますので、かわいくしたり、アプローチしやすいキャラクターを作りたかったので、そういうデザインになりました。

村上:亡くなったときの手続きとかイメージがないので、このアイコニックな印象が付けられるととりあえず「あのアイコンだ」みたいな形で思い出しやすく、なんかすごいいいなと思いましたね

五十川: ありがとうございます。

唐澤: 「死」もそうですし、セキュリティはネガティブな感情が出てきやすい領域になったりして、逆にそれをポジティブに変えていくというか。つまらないものじゃなくて、怖いものじゃなくて、カルチャーを変革していくというのは結構面白いアプローチかなと思ったんですよね。

私もユーザーとして、最初に登録するときに自分のアセットのトランスファー先を誰にするのかを書くときに改めてすごい考えさせられたんですね。自分の両親にすべきなのか、それとも奥さんにすべきなのかとか。(中略)五十川さんから見て、マーケットとしてユーザーがどういう分布になってるか、こういうものに対するよりポジティブな国と、これからの国で結構差はあるんですか

五十川: そうですね。まずポジティブな意見があってよかったんですけど、アメリカはこういう会話がやっぱり難しいと思いますね。(中略)アジアでは多分もうちょっと大丈夫なシステムになっていると思います。理由はわからないんですけど、アジアの方がそういうトピックを受け入れています。

唐澤: Webacyとして今後、どこのマーケットをメインに注力されていこうとしてますか。あと今後、大企業とのコラボレーションを考えたときに、どういうターゲットがありますか

五十川: ラッキーなのはクリプトはベースがインターナショナルなことなんですけど、あと地理的に考えると、私は日本人なのでもちろん日本にも入りたいんですけど、今トラクションについて考えると、アメリカの方が素晴らしいユーザーベースになっています。それ以上にアジアの方がクリプトのテクノロジーなど進んでいると思います。例えばシンガポールとか韓国でもブロックチェーンウィークとかイベントとかが進んでいますので、そこにも素早く入りたいと思います。

次につづく:Web3セキュリティのトレンド /Webacy 五十川 × ACV唐澤・村上(4)

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