AIで変わる労働ーー次の2年で従業員の6人に1人が今、存在しない仕事に就くらしい【Connected Operations Report】より

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Image Credit : Andrea Piacquadio

ピックアップ:Business leaders investing in generative AI, automation to reinvent physical operations: Report

ChatGPTなどジェネレーティブ(生成型)AIの登場で劇的に変わる働き方、この件について興味深い調査レポートが出ていたのでご紹介します。Samsaraというクラウド企業が発表した2023年の「Connected Operations Report」によれば現在、世界GDPの40%以上を占める産業の組織が物理的な業務を改革しており、これらのリーダーたちはサプライチェーンを強化し、従業員のスキルを向上させるなど、持続可能な経営のためにデジタル化への大規模な投資を実施しているそうです。

ポイントはジェネレーティブAIと自動化の採用です。調査では、リーダーの84%が2024年までにジェネレーティブAIを、91%が自動化によって業務を近代化する予定であり、51%が既に自動運転車やなんらかの機器を使用しているか、今年中に使用する予定であることが明らかになっています。半数以上がそのように回答しているというはなかなかの驚きです。

さらに、リーダーたちは伝統的なペンと紙のプロセスをデジタルワークフローに置き換えて業務を最適化しており、2025年までにフィールドの従業員の55%が日常業務を遂行するためにデジタルワークフローに依存すると予測しているそうです。

また、調査では、次の2年間で従業員の6人に1人が現在存在しない役割に従事することが予想されています。このシフトに対応するために、リーダーの半数以上(52%)が、従業員が新たに出現する技術をナビゲートするために必要なスキルを身につけることを優先しているとのこと。

特にジェネレーティブAIで注目が集まっているプロンプト・エンジニアリングのような技術は、これまでAI開発の一部のものでしたが、これから一般的なオフィススイートなどにジェネレーティブAIがどんどん統合されていくと、自然言語でどのように指示を出せばAIが効率よく動いてくれるのか、その辺りの知識や技術は新たなスキルセットになりそうです。LayerXもいち早くこのスキルを新卒採用の要素にいれて話題になっていました。

調査された組織は、従業員のトレーニング、スキルアップ、再スキル化の取り組みを促進するために、2023年に総額で約70億ドルを投資する予定であるということからも、この辺りに対する経営陣の危機感が伝わってきます。記事ではその他にも今後、大きく変化する事業環境における組織リーダーたちの考え方がまとまっていますので、見通しの参考になれば。

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