ChatGPTで変わるメディアの現場、編集の仕事はどうなる

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Image Credit VISUAL CAPITALIST/インフォグラフィックの全体はこちらから

先週に発生したペンタゴン攻撃のデマは、ジェネレーティブ(生成型)AIのフェイクニュースとして国内でも話題になりました。株式市場にまで一時影響を与えたことで、衝撃を受けた方も多かったのではないでしょうか。

テキストや自然言語を仕事で扱うひとりとして、今回のChatGPTを筆頭とするジェネレーティブAIが巻き起こしているテクノロジー・パラダイムシフトは全くの他人事ではありません。昨年11月に公開されたチャット(対話型)生成AIのChatGPTは、今年に入り、MicrosoftのBing・Edge統合も手伝って2月にブーストし、3月のAPI公開で瞬く間に時のサービスとなりました。

2カ月で1億人のアクティブユーザーを達成したOpenAIは、ChatGPTが今年2億ドル、2024年に10億ドルの利益を上げると予測しているそうです。 また、同社は直近のMicrosoftによる100億ドルの資金調達ラウンドで、290億ドルと評価されています。さらに現在の月間アクセスは世界17位だそうで、引っ張られる形でMicrosoftの検索エンジンBingが25位にまで上がってきているのも驚異です。

さて、当然のことながらテキストが必要不可欠なメディアも、この流れを無視するわけはなく、早速、BuzzFeedは、ChatGPTをコンテンツ作成、特にクイズやパーソナライズされたコンテンツに活用するようです。報じているForbesの記事で、BuzzFeedのJonah Peretti CEOは「AIはデジタルメディアの未来を定義する2大トレンドの1つになるだろう」と述べています(もう1つは「クリエイター」)。さらにニュースメディア「Axios」創業者のJim VandeHei氏も、このようなジェネレーティブAIがスタンダードになる未来を見越して、8つの領域における変革を整理しています。

個人的にもこの流れを見ていて、大きくポイントとして(1)サービスとしてのメディアへの統合、と(2)効率化の二点において生活が変わるだろうなと感じています。前者はBuzzFeedがそうであるように、GPTをはじめとするジェネレーティブAIをサービスに取り入れることで起こる変化です。

一方、後者は効率化の話です。タイプライターがWordになり、シェアが可能なGoogle Documentになっていったように、コンテンツを作る上でChatGPTはすでに役立つものとなっています。その辺りの個人的な利用方法についてはこちらの記事でもまとめました。

ではメディアや編集者の働き方はどうなるのでしょうか。この個人的にも興味のあるテーマについて勉強会を企画することにしました。今週金曜日の12時からオンラインで開催する「ChatGPTで雑誌は変わる?ーーAIチャットくん、ことりっぷマガジンと語る編集のミライ【6月2日(金)オンライン参加者募集】」です。

今回の開催にあたり、雑誌という伝統的かつデータを膨大に持っている雑誌社を定期購読というプラットフォームで幅広くネットワークしている富士山マガジンサービス社に協力をいただきました。当日はAIチャットくんでLINEとChatGPTを素早く組み合わせ、一気に150万ユーザーの反響を得たpicon CEOの山口翔誠さんに開発と反響の裏側、ユーザーがなにを楽しんでいるのかをお聞きします。

また、雑誌という膨大なデータとGPTの相性や可能性、効率化のお話、さらには旅の小冊子「ことりっぷ」マガジン編集長の中山優子さんを交え「旅雑誌×ChatGPTのミライ」についてもお話する予定です。一時間という短い時間なので限られた話題になるかもしれませんが、まずは頭の整理を兼ねてみなさんと一緒にお話しようと思っています。ぜひ、ご興味ある方はご参加いただければ。

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