成功体験、どう作る?/フィナンシェ田中 × ACV唐澤・村上(4)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

今回のゲストはフィナンシェ取締役COO・CMO、田中隆一さんにご登場いただきます。

フィナンシェは、ブロックチェーン・トークンを使ったクラウドファンディングサービス「FiNANCiE」を提供するスタートアップです。創業時からこのプロジェクトを牽引し、南葛SCなどをはじめ話題のスポーツプロジェクトを数多く手がけたことでも知られる田中隆一さんにお話を伺いました。5回連続でポッドキャストから一部をテキストにしてお送りします。

ポッドキャストで語られたこと

  • スキルや価値が滑らかになる世界を求めて
  • クラファン2.0の価値とは何か
  • エンタメの次は食、地域通貨を循環させる方法は?
  • 成功体験、どう作る?
  • フィナンシェで価格が乱高下しない理由

唐澤:インセンティブで地域を応援するみたいな仕組みってもうプロジェクト単位でどんどんやられて、結構成功されてる感覚だと思うんですけど、もっとどんどん普及していくだろうという見立てなのか、若干価値変動するのが難しかったよねみたいなところがあったのか。(中略)世の中の理解度とか認知度についてはいかがでしょうか?

田中:僕らが2019年にサービスを出して、まだその頃のブロックチェーンって一時期ビットコインがバッと上がった時に界隈の中で一部盛り上がりはあったものの、一般の人たちがそれを認識して自分も参加してみたいなところは全然なかったと思います。僕らも、実際にどういうコンテンツをどういう形でやればいいのかをマーケットにフィットさせていく作業を立ち上げから今までも含めてずっとやってるんですよね。

それをやり続けている中で、今Web3というワードやDAOってワードが出てきたり、NFTが注目を浴びるようになってきて、みなさんもなんとなく、特に若い方を中心にできはじめていて、コミュニティの部分がみなさんに分かりやすくなってきている。

世の中の風潮として、こういうコミュニティの作り方もあるんじゃないかとか、最初に買っていた人たちが実際にそのトークンを持っていたことでメリットがあるみたいなところがここ2〜3年でようやく見えはじめて、その人たちが違うコミュニティに参加しはじめて、どんどん勧誘していくみたいな形になってきてるかなと思います。

合わないというのは、おっしゃる通り僕らの仕組み自体は何かの決済の手段として今使われているわけではないので、トークンへの認識がまだ少ないこともあり、「トークンを持ってて何か使えるの」というところでいくと、今のところ、持ってても決済に使えるわけじゃないという部分がちょっと分かりづらい。それは今も出てくる言葉ではありますね。

唐澤:この2〜3年を通じて、今まではトークンが何かよく分かんなかった人たちも実際に持って、ずっと接していくとこんな利益があるんだみたいなのも体感してきているので、そういう人たちが仕組み自体やその価値をいろんなところで伝えていってくれるとより普及していくだろうと、そんな風に見られてる感じですかね。

田中:そうですね。ユーザーのみなさんの成功体験もそうですし、逆にプロジェクト側としても成功体験を作って、それをみなさんと一緒に発信していくことでどんどんまた違うプロジェクトが立ち上がっていく。今度は元々いたプロジェクトの方もユーザーが増えてくると、それだけ自分のところにもトークンを買ってくれる方が増えるので、皆メリットがある。そうして一緒になってこの概念を広げていくことができるのは僕らにとって非常にありがたいなと思ってます。

唐澤:皆にメリットがあるのが重要なところなんですね。

田中:応援してる人たちって、今までは気持ちだったりとか、ボランティアで応援する、それはそれで大事なポイントではあると思うんですけど、それだけだと本当に純粋な、コアなファンの人たちから広がっていきづらい。逆にその人たちが有名になってファンが多くなればなるほど、最初から応援してた人たちにメリットがなかった。なので積極的に外部に発信していこうってよっぽどの推しでなければならなかった。最近推しでどんどん自分を出していくというトレンドがあると思うんですけど、それはこういったインセンティブの仕組みによってより加速されることで、プロジェクト側にとっても発見されやすくなるんじゃないかなと思います。

次につづく:フィナンシェで価格が乱高下しない理由/フィナンシェ田中 × ACV唐澤・村上(5)

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する