台湾のGoSky AI、4.5億円をプレシリーズA調達——ジェネレーティブAI連携で、CRM自動化支援

GoSky AI の皆さん
Image credit: GoSky AI

ソーシャル CRM スタートアップ GoSky AI(構思網路)は25日、プレシリーズ A ラウンドを完了したと発表した。このラウンドには、500 Global、Silicon Valley Acorn Pacific Venture Partners(矽谷橡子園太平洋創投)、SVTI Fund II(矽谷天使二號基金)、MyVentures、Goldstone Venture Partners(金石創投)、SIC(Sustainability Impact Capital、永続影響力)が参加した。

GoSky AI の共同創業者兼 CEO の Fash Chang(張聿瑋)氏は次のように述べている。

AI によるデータの意思決定や生産性向上のために、GoSky AI 製品を利用することが、企業にとって急務であり不安であると考える。そこで、マーケティング、ビジネスから財務データのインポートと分析に至るまで、ソーシャル、Web サイト、店舗データを組み合わせた AI 自動化ツールを提供し、企業向け AI CRM の完全自動化成長ソリューションとして提供する。

Chang 氏は、今回調達した資金を AI 製品の開発とチーム拡大のために使用すると述べている。

ジェネレーティブ AI との連携で、ユーザ数や年間単価が2倍以上に

GoSky AI は、ワンストップの AI CRM ソリューションを提供し、企業がファーストハンドデータによる会員管理・リマーケティング、クローズドループコミュニティの構築、Facebook や Instagram などのソーシャルメディア上の会員を VIP 会員化し、、メッセージ開封率70%を実現、法人顧客のマーケティング予算を20倍近く削減することを支援する。

Chang 氏は、SaaS やノーコードはすでにすべてのデジタルサービスの基礎となっているが、これからはジェネレーティブ AI が主流になると述べた。

GoSky AI のユーザが、AI ボットにこう質問する。「前四半期、お客様はどこで私たちを見つけたのか? 一番お客さんが多かったのはどの業界か?」そう問いかけるだけで、ボットが自動的にレポートを作成するので、データを取得するためにさまざまなデータベースにアクセスする必要がなくなる。(Chang 氏)

Chang 氏は、将来的には AIに「若者向けのマーケティングキャンペーンの生成を手伝ってくれ」と言えば、AI がターゲットリスト、コピー、画像などを自動生成してくれるようにしたいと述べている。

GoSky AI のデータ分析アプリケーション。ユーザはボットに一言頼むだけで、データを分析できるようになった。
Image credit: GoSky AI

最新の AI 技術を搭載した GoSky AI は、元 NBA のスーパースター Dwight Howard 氏が所属する T1 LEAGUE や大手レストランチェーンのピザハットなどを顧客に獲得、新規月間ビジネスユーザ数、年間顧客金額が2倍以上に増加した。

GoSky AI のポテンシャルは、500 Global が同社への追加投資を決定した重要な要因だった。シリコンバレーにある Acorn Pacific のパートナー David Wu(呉德威)氏は、ソーシャル CRM の世界的な需要について楽観的な見方を示し、GoSky AI の技術力と AI 応用力に感心している。

製品導入後に求められるチームのトランスフォーメーション

GoSky AI は、AI 技術を製品に適用するだけでなく、社内ですべての職種の AI 化を積極的に推進している。

例えば、エンジニアの採用では、AI 技術で代替可能なプログラムを書く能力よりも、コミュニケーション能力やニーズを理解する能力を重視するようになった。以前は月に何百時間もかけて顧客リストや連絡先を整理していたが、AI との連携に慣れた今では、数秒で自動的にできるようになった。

しかし、新機軸とはいえ、「AI トランスフォーメーション」のプロセスにも紆余曲折があり、Chang 氏は最大の課題は次の2つだという。

1. なぜ「AI が必要なのか」というトランスフォーメーションの動機が従業員に理解されていない。

GoSky AIのアプローチは、学ぶ意欲のある従業員を数人見つけては試し、成功事例を作ってから同僚と共有している。CEO 自身は成功を実感できないかもしれないが、同僚の成功によって、互いに刺激し合い、アハモーメント(新しいアプリケーションへのインスピレーション)を生み出すこともできる。(Chang 氏)

2. 従業員の AI 活用のギャップを埋めるには?

AI が初めて職場に導入されたとき、AI を使うことで「仕事のスピードが上がるだけで、必ずしも品質が向上するとは限らない」ことを発見した。AI と接する際には、従業員に異なる分野の知識を学んでもらい、分野横断的な知識を深めてもらうことが必要だと分かった。(Chang 氏)

Chang 氏は、現在多くの仕事が AI に取って代わられつつあるが、より多くの新しい仕事の機会が生まれていると述べた。GoSky AI が AI と連携し、新しい AI 製品を通じて企業がデータ駆動型の未来に向かうのを支援する企業になってくれることを願っている。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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