宇宙探査技術を農業の負担軽減にーー東北大学発のAIロボ開発 by 輝翠TECH/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

SHARE:

本稿はコーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースターが運営するオウンドメディア「01 Channel」からの転載記事。JAアクセラレーター第5期の採択選考会のレポートの一部として各社の紹介を掲載する

農業用AIロボット、画像認識、データサイエンスの事業を手掛けるのが輝翠(きすい)TECHだ。東北大学発のアグリテックスタートアップ企業で、宇宙探査技術を取り入れたAIロボットを開発している。

彼らのロボットは日本の小さな農地に対応できるよう、でこぼこな地形などにも対応し、農家の方々が収穫作業に集中することができるようにする。またロボットに取り付けられたカメラやセンサーを使って作物や土壌のデータを収集し、病害虫の早期発見や、作物の収穫量の把握といったデータ分析・提供もできるようになるとしている。一方、このような農業用ロボットは各社で研究開発が進んでいるが、彼らの強みはやはり、宇宙探査技術開発にある。

「月面探査機で使用していた画像認識技術とAIを使用して、農場の状況を把握し、ロボットを自動的に走行させるという取り組みを行っています。この技術はロボットの走行以外に作物の状態や農場のセンサーデータを収集することも可能です。つまり、単に走行するだけでなく、情報を収集しながら走行するという点が強みです」(早坂理希氏)。

2021年創業で、同社代表のTamir Blum氏はイスラエル出身・アメリカ育ちの研究者。スペースXでのクルードラゴン開発のインターン経験や東北大学宇宙ロボット研究室での月面探査機の研究などを手掛け、在学中に同社を立ち上げた。ビジネスについてはロボットそのものの販売やレンタル、リースに加え、農家から集まったデータの活用も可能性がある。

「農家の方々から収集したデータをどのように活用するかについては、JAさんや自治体との情報共有を行い、その解析方法などについて協議を行いたいと考えています。開発には多くの生データが必要ということもあり、より多くの農家さんや関係者の方々にご協力をいただきたいと考えています。JAさんは農家さんとのつながりが強く、農家さんへの理解がとても深いと思いますので、JAさんを通じてこの機会により多くの方にアプローチできればと思います」(早坂理希氏)。

次につづく:野菜でつくったクレヨンが食料環境問題のきっかけに by mizuiro/JAアクセラレーター第5期・優秀賞10社紹介

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録