メンタルケア「MindCafe」が瞑想アプリ買収、Scatter LabがSKTとLLM開発で提携——韓国スタートアップシーン週間振り返り(4月24日~28日)

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メンタルケアアプリ「MindCafe」運営の Atommerce(아토머스)が、瞑想アプリ「コッキリ(코끼리、「象」の意)」運営の Maeum Sueop(마음수업、「心の授業」の意) を買収。
Image credit: Atommerce, Maeum Sueop

4月24日~4月28日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは7件で、資金総額は451億ウォン(約45億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

Scatter Lab が通信大手 SK テレコムから15億円を調達、大規模言語モデル(LLM)を共同開発へ。両社が持つ AI サービス、LLM の比較。(Scatter Lab 提供の画像を BRIDGE で翻訳)
  • 関係指向性 AI エージェント開発スタートアップ Scatter Lab(스캐터랩)が SK Telecom から150億ウォン(約15億円)を戦略的資金調達した。Kang Daon(강다은)など人間のように会話を交わす AI エージェントを開発している。SK Telecom と Scatter Lab は新しいペルソナを持つ感性型 AI エージェントサービスを共同開発し、知識と感性領域の LLM 開発など超巨大 AI 分野で協力する計画だ。
  • コンテックスタートアップの Xpanner(스패너)が60億ウォン(約6億円)を調達した。2020年に設立されたスマート建設ソリューションプロバイダとして、現在独自開発した建設機械自動化ソリューション「Mango(망고)」のローンチを準備中だ。昨年は専門建設会社を中心に5つの建設現場に建設情報モデリング(BIM)ベースの統合管制システムなどスマート建設ソリューションを納品した。北米法人設立を完了しており、海外事業も本格化する。
  • Carrot Solutions(캐럿솔루션즈)が50億ウォン(約5億円)を調達した。エドテックベースのパーソナライズされた外国語教育プラットフォーム「Carrot English(당근영어)」を運営している。このサービスでは、カリキュラムからインストラクターマッチングまで、パーソナライズされたサービス、AI データ分析とリアルタイムフィードバックを提供する。今回の調達により、B2B 事業を超え、B2C 事業に拡大する計画だ。
  • 当日配送特化プラットフォーム「Drabbit(딜리래빗)」を運営する Delivus(딜리버스)が46億ウォン(約4.6億円)を調達した。e コマース企業に当日配送及び当日返品、交換サービスを提供している。地域クラスタリング技術により、宅配便レベルのコストで迅速な配送と返品を可能にした。調達した資金を使って物流ハブを拡大し、全国の主要都市へのサービス拡大する計画だ。

トレンド分析

シリーズ C 投資はどれくらい減少したか

グロースステージのスタートアップは、悪化した投資環境のために最大の打撃を受けた。特にシリーズ C ラウンドは、より大きな跳躍のために追加資金が切実な時期だが、投資家がグロースステージ投資を減らしたため、シリーズ C ラウンドの投資も減少した。これは、スタートアップが資金調達だけでは規模を大きくすることが難しくなったことを意味するとともに、スタートアップの収益性に対して投資家の信頼が低下していることを示していると見られる。ユニコーンを標榜していたスタートアップの一部は、投資会社が後続の投資に消極的な姿を見せ、リストラなどの緊縮政策に突入したりもした。

Startup Recipe のデータによると、シリーズ C ラウンドの投資件数は2020年から2021年の間に67%上昇した後、2021年には53件、2022年には39件に下落し、26%減少したことがわかった。投資の下落が本格化した昨年第2四半期からシリーズ C ラウンドの投資件数の減少が明らかになり、金額も昨年第4四半期に大きく減少したことが確認できる。また、今年第1四半期にはシリーズ C ラウンドでの投資が7件にとどまり、4月は(4月28日現在)、シリーズ C ラウンドの投資は1件だけだった。このような状況から、今年もポジティブな投資成果を期待しにくいという見通しが出ている。

シリーズ C ラウンドで多く見られたベンチャーキャピタルも顔ぶれが変わった。今年の第1四半期シリーズ C ラウンドでの投資には、国内のベンチャーキャピタルよりもグローバルベンチャーキャピタルが多く見られ、大企業や金融会社、CVC など戦略的投資家が多くの割合を占めた。最もアクティブだったベンチャーキャピタルは、Altos Ventures で7件中2件に参加し、その後の投資を続けた。

投資が減りながらもポジティブな現象の一つは、規模の成長だけに集中していたスタートアップが収益性を重視するようになったことだ。これにより、黒字転換を伝えるスタートアップも増えている。政府は最近、投資環境の悪化に伴う対策でベンチャー/スタートアップに10.5兆ウォン(約1.1兆円)を追加で投資すると発表した。それにもかかわらず、投資総額は毎月減少しており、市場の回復時期は予測するのが難しくなっている。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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