食品B2B流通のSFNが40億円、デジタルヘルスのHumanscapeが20億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月15日~19日)

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Smart Food Networks の生鮮食品販売サービス「Fresh On Market」と、Humanscape の妊娠支援アプリ「Mummy Talk」
Image credit: Smart Food Networks, Humanscape

5月15日~5月19日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは10件で、資金総額は1,221億ウォン(約122億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • B2B物流・流通スタートアップの Smart Food Networks(스마트푸드네트웍스)が400億ウォン(約40億円)を調達した。コールドチェーンフルフィルメントサービス、食材コマースプラットフォームを運営しており、売上高は昨年950億ウォン(約95億円)を記録している。調達した資金は、設備投資、ITシステム開発、買収合併などに使用する計画だ。
  • Humanscape(휴먼스케이프)が200億ウォン(約20億円)を調達し、累積調達額は550億ウォン(約55億円)に達した。妊娠、子育てプラットフォーム「Mummy Talk(마미톡)」と希少難治性疾患統合ソリューションを提供する。インドネシアで Mummy Talk の有料化が完了した。調達した資金により、グローバル市場の攻略を計画している。。
  • 細胞培養食品企業 CellMEAT(셀미트)が174億ウォン(約17億円)のを調達した。独島エビ(原文ママ)試作品を披露した後、細胞培養キャビア試製品を披露して注目され、継続的に新しい食品を披露する予定だ。
  • ビッグデータ企業 Dtonic(디토닉)が130億ウォン(約13億円)を調達した。ヒュンダイ自動車からスピンオフした企業で、時空間ビッグデータ基盤研究、スマートシティ、スマートファクトリー事業を推進している。東南アジアや MENA(中東・北アフリカ)で可能性が高く評価されている。
  • 111%子会社の Rich Alien(리치에일리언)が115億ウォン(約12億円)を調達した。この調達により、人気の IP を使った高品質ミッドコアカジュアルゲームでグローバル市場を攻略する計画だ。
  • 見える ARS(自動応答システム)を開発する CallGate(콜게이트)が100億ウォン(約10億円)を調達した。同社は、300社あまりの企業や機関にサービスを提供するコンタクトセンターソリューション企業で、今回の調達により事業拡大に乗り出す方針だ。

トレンド分析

友達探しから趣味共有まで… アクティブシニアを狙う

アクティブシニアが高齢化により新しい消費主体として浮上し、これらのためのスタートアップも増加している。以前まではシニアのケアに注力したサービスが目立ったが、最近は経済力を背景に、余暇を楽しむ多様な中高年層の関心事とニーズを満たすスタートアップの調達ニュースが増えている。MZ 世代(ミレニアムと Z 世代)でも人気を呼んだ、市場性を証明した関心事ソーシャルベースのコミュニティや集まりプラットフォームが増えている。

Viva la Vida(비바라비다)は、中高年層の趣味ベースの会議サービスプラットフォームアプリ「Oe(오이)」を通じて、地域や興味に応じて参加できる趣味の会議を提供している。チャットよりも音声に馴染みのある中高年層層のために、音声コミュニケーションメタバースを提供し、絆を築くことができるように支援するのが特徴だ。

Who Cares Korea(후케어스코리아)も50歳以上のアクティブシニアを対象に友達づくり、アクティビティ情報提供サービス「Sinor(시놀)」を披露した。Sinor は共通の関心事を持つ人々の、1:1、1:N マッチングをサポートしている。悪意あるユーザを排除するために、顔認証システムと24時間監視システムを導入している。さらに、Losh Korea(로쉬코리아)は50〜60代のためのレジャーキュレーションプラットフォーム「Siiso(시소)」を運営している。

コマースプラットフォームの需要も高まっている。Bind(바인드)は中年男性のためのファッションコマース「Athler(애슬러)」を運営している。アウトドア用品など中年男性ファッション特化製品を提供し、再購入率31%、EC であまり見ない男性向けブランド140社の独占契約を目指す。オンラインサービスの活用が難しい中高年層のためのヘルパーサービスも出てきた。個人秘書サービス「Ddokbi(똑비)」だ。情報検索、買い物、予約など、日常生活で必要なヘルプをチャットでリクエストできる機能を提供する。

シニアヘルスケアスタートアップは技術を加えて専門性を強化している。Silvia Health(실비아헬스)は認知症予防効果が立証された臨床研究に人間中心の AI 技術を組み込み、認知症早期発見・予防ソリューションを提供する。別のシニアヘルスケアスタートアップ Live-Lively(리브라이블리)は、痛みのフィードバックと運動全天候データを活用した独自の運動処方アルゴリズムを開発し、家族のためのヘルスケアコミュニケーションアプリ「Carebom(케어봄)」を提供する Junction Med(정션메드도)もシニアのためのソリューションを提供する。

シニア対象スタートアップが増える理由は、経済力を兼ね備えた彼らが多様なライフスタイルを追求しているためだろう。この動きから、市場はさらに成長すると予想され、関連企業の数も増加すると予想される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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