ストックフォト&音源のBBTree、ハングルフォント大手Sandollの新規事業子会社が買収など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月8日~12日)

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Image credit: BBTree

5月8日~5月12日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは3件で、資金総額は80億ウォン(約8億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • フードテックロボット企業 WAVE LifeStyle Tech(웨이브라이프스타일테크)が40億ウォン(約4億円)を調達した。2018年に設立された同社は、ロボットとキッチン管理 AI 機能により、ロボットベースのキッチン運営サービス RaaS(Robot-as-a-Service などを提供している。今回の調達により、調理ロボット技術だけでなく、RaaS の独自性が認められた。今年、100億ウォン(約10億円)を調達しシリーズ A ラウンドをクローズする計画だ。
  • Deep BlutDot(딥블루닷)がシードラウンドで35億ウォン(約3.5億円)を調達した。シリコンバレーで創業した同社は、ジェネレーティブ AI を活用した顧客フィードバック分析ソリューション「Syncly(싱클리)」を運営している。Sincly は、多様なチャンネルから流入した顧客フィードバックの統合管理を可能にする。
  • ホットプレイス(人気スポット)のリアルタイム中継・情報共有プラットフォーム「Sneakers(스니커즈)」が5億ウォン(約5,000万円)を調達した。その場所で何が起きているか、リアルタイム情報を個人間取引(C2C)できるようにすることに焦点を当てたサービスで、今回の調達によりライブスポット機能を強化し、リアルタイムでホットスポットの混雑状況が確認できるよう機能を改編する。

トレンド分析

女性起業家によるスタートアップ、分野が多様化

女性起業家が設立したスタートアップの事業分野が多様化している。以前は、女性起業家によるスタートアップは美容、育児、教育などの分野で分類されるものが多く、これらの分野で女性起業家によるスタートアップが先導的な役割を果たしてきた。最近では技術系スタートアップの増加が目立っており、特にディープテック分野でも女性起業家が注目を集めている。

資金調達を基準にすると、コンシューマーテック分野が依然として大きな比重を占めている中、女性に関連するファッションビューティー分野が依然として強力で、ペットテックも多くの割合を占めている。近年、デジタルヘルスケアとソフトウェア(SaaS)の分野でも女性起業家によるスタートアップが増加している。

2023年、資金調達に成功した女性起業家によるスタートアップの事業分野(5月12日現在)

ヘルスケア分野では医療機器とともに睡眠管理、シニアケア、ヘルスケアのためのサービスが注目されており、ソフトウェア分野ではジェネレーティブ AI や B2B SaaS にも女性起業家によるスタートアップが増えている。

また少数だが、ゲーム、製造、農業分野でも登場しており、女性起業家の活躍はスタートアップエコシステムの多様性を高めている。ただし、分野をリードしている女性起業家によるいずれのスタートアップからも、昨年、投資環境が悪化したため、今年の大型投資ニュースは聞こえていない。

2023年、資金調達に成功した女性起業家によるスタートアップの調達ステージ(5月12日現在)

分野の多様性とともに調達に成功する企業も増えた。2020年には調達に成功した女性起業家によるスタートアップの数は51社に過ぎなかったが、2022年には114カ所に大きな増加を見せ、成長傾向を確認することができる。調達ステージはほとんどがアーリーだが、より多くの女性が創業に参入しており、政府が今年、女性起業家によるスタートアップに特化した事業に歴代最大規模の101億ウォン(約10億円)を投入すると明らかにした。女性起業家によるスタートアップへの支援は、今後さらに多様化する見込みだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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