ByteDance創業者が香港でファンド設立、iFlytekが書き起こし可能なイヤーバズ発表——中国スタートアップシーン週間振り返り(5月22日~26日)

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「iFLYBUDS Nano+」
iFlytek(科大訊飛)

本稿は、Technode(動点科技)が、5月22日〜5月26日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

ByteDance(字節跳動)創業者 Zhang Yiming(張一鳴)氏、香港でファンドを設立(5月26日)

ByteDance(字節跳動)の創業者 Zhang Yiming(張一鳴)氏が、テック関連の投資を対象としたファンド「Cool River Venture」を香港に設立した。2021年に ByteDance の CEO を退任して以来、Zhang 氏は目立たないようにしており、公の場に姿を現すことはほとんどない。5月22日に設立されたこのファンドは、ZHang 氏が自身の資産を多様化させる動きを示している。

Zhang 氏が体系的な個人投資を開始する一方で、ByteDance の世界的に広く普及しているアプリ「TikTok」は、プライバシー問題やセキュリティ上の懸念から大規模な課題に直面している。モンタナ州は17日、アメリカで初めて TikTok のダウンロードを禁止する州となり、この法律は2024年1月1日に施行された。TikTok は、この禁止措置が憲法などに違反するとして、モンタナ州を提訴している。動点科技

iFlytek(科大訊飛)、書き起こし技術を搭載した新しいイヤホンを発表(5月26日)

中国の音声認識ソフトウェア会社 iFlytek(科大訊飛)は25日、新しいカンファレンスイヤーバズ「iFLYBUDS Nano+」を発表した。シルバーとグリーンの2色が用意されたこのイヤホンは、アクティブノイズキャンセリングとインテリジェントトランスクリプト機能を備えており、同社によると、リアルタイムで録音した音声を数分でテキストに変換できる。

iFlytek によると、iFLYBUDS Nano+ のバッテリー寿命は、5,000mAh容量のケースでスタンバイモードでは最大40時間まで延びるという。また、10分間のワイヤレス充電で、バズを3時間使用することができるとしている。現在、中国でのみ販売されており、価格は1,099人民元(約22,000円)だ。IT 之家

Baidu(百度)の元メタバース責任者、Sinovation Ventures(創新工場)に参画(5月24日)

Baidu(百度)の元メタバース責任者 Ma Jie(馬杰)氏が、Kaifu Lee(李開復)氏の Sinovation Ventures(創新工場)に副社長として参加したと報じられた。テック系メディア 36Kr(36気)によると、Ma 氏は自身の AI ベンチャー「Lingyi Wanwu(零一万物)」も設立した。Baidu が AI 強化のため、メタバース部門への資金提供の継続に難色を示す中、馬は最近 Baidu を辞職した。

Baidu が AI を優先することにしたのは、昨年11月に OpenAI が「ChatGPT」を発表したことを受けて、ジェネレーティブ AI が台頭してきたことが背景にある。この進展により、数多くの AI 専門家や中国のテック企業が関連するプロジェクトや製品に乗り出すようになった。3月には、Kai-Fu Lee 氏が自身のイニシアチブ「Project AI 2.0」を発表した。これは、ChatGPT のようなアプリケーションと AI 搭載の生産性ツールのエコシステムを開発することを目的としている。36気

GoerTek(歌尔声学)、超軽量 AR ディスプレイモジュールの新製品を発表(5月23日)

中国の電子機器メーカー GoerTek(歌尔声学)は、2種類の新しい AR ディスプレイモジュールを発表したと、現地メディアのIThome(IT 之家)が伝えた。同社によると、今回発表されたのは、市場最小・最軽量のフルカラー AR ディスプレイモジュールで、重量はわずか1.6グラムだ。

モジュールの1つは、AR ナビゲーション、オーディオ・ビデオ・エンターテインメント、インタラクティブ協力に使用でき、一対の単レンズ光回折メガネの輝度は最大700nitsに達する。もう一方のモジュールは、マイクロ LED と緑色の反射防止コーティングが施されており、GoerTek は、サイクリングなど、よりアクティブなシーンに役立つと位置づけている。IT 之家

WeChat(微信)、掌紋決済機能をローンチ(5月22日)

Tencent(騰訊)のスーパーアプリ「WeChat(微信)」は21日、掌紋決済の正式導入を発表し、異なる照明条件や手のひらの線の個人個人の生理的な違いに適応する機能を披露した。WeChat の掌紋決済機能は、まず北京の大興空港に乗り入れている地下鉄で利用できるようになる。新たに開始されたこの決済方法によって、ユーザは携帯電話に頼ることなく、搭乗手続き全体を完了することができる。微信

核融合スタートアップ Neo Fusion、EVメーカー Nio(蔚来)から200億円を調達(5月22日)

中国東部の安徽省の複数の国営エネルギー会社と資本会社が支配する核融合エネルギー企業 Neo Fusion が、電気自動車メーカーの NIO(蔚来)から9億9500万元(約200億円)を調達したと、ロイターが19日に報じた。

Nio の CEO William Li(李斌)氏が設立したベンチャーキャピタル Nio Capital(蔚来資本)の提出書類や本件に詳しい人物の話によれば、Nio Capital は、さらに追加で5億500万人民元(約100億円)を Neo Fusion に投資したと報道されている。19日に公表された規制当局への提出書類によると、Nio Capital と Nio は共同で Neo Fusion の株式30%を、国有企業の一つである Anhui Province Energy Co, Ltd(安徽省能源)は50%を保有している。ロイター

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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