韓国発のジェネレーティブAIライティングプラットフォーム「wrtn(リートン)」、日本向けサービスをローンチへ

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CES 2023 で Innovation Award を受賞したプロダクト「wrtn Training」
Image credit: Wrtn Technologies

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韓国に拠点を置くスタートアップ Wrtn Technologies は、同社のジェネレーティブ AI ライティングプラットフォーム「wrtn(リートン)」の日本向けサービスをローンチすることを明らかにした。韓国発のジェネレーティブ AI サービスの海外展開としては初となる。日本向けサービスは事前登録の受付が開始されているが、具体的なローンチ時期はまだ明らかになっていない。

Wrtn Technologies は2021年4月、Z 世代向けのライティング専門家と AI エンジニアらにより設立された AI スタートアップだ。同社では今年初めから海外展開チームを組織し、シリコンバレーでの起業経験が豊富な人物らからアドバイスを得て、可能性のある市場を模索してきたが、非英語圏発 AI サービスの強みを生かし、非英語圏である日本を足がかりに世界展開を図るとの考えに至った。

wrtn は、大規模言語モデルをベースに、キーワードを入れるだけで、広告のフレーズ、営業メールなど、業務に応じた50以上のツールにより文案が提示されるサービスだ。好きな口調や感覚、含めたいキーワードなども指定可能で、広告などの短文だけでなく、長文の執筆支援もできるとしている。

wrtn は、2022年10月にβ版がリリースされ、韓国国内では公開4カ月で10万人を超えるユーザが20億個以上の単語を生成した。Naver の HyperClova、GPT-4、wrtn 自社モデルなど5つ以上の大規模言語モデルを構築しており、ChatGPT より安価で高速なサービスを目指す。今年の CES では、Innovation Award を受賞した。

なお、Wrtn Technologies は先週、ジェネレーティブ AI を使ったチャットと画像生成機能の回数無制限・完全無料化を発表した。チャット機能は有料の OpenAI の GPT-4 を利用しているため、Wrtn Technologies は有料ユーザには無制限、無料ユーザには1日あたり利用件数を100件までに制限してきたが、韓国語での回答性能が高まったことや、より広範なユーザ獲得を狙い完全無料化を決めた。

また、Midjourney は3月に無料試用サービスを中断したが、これと対照的に、Wrtn Technologies では、画像生成機能については、Stability AI を使ったサービスをチャット機能同様の回数無制限・完全無料で提供する。なお、同社では5月末に、ソウルに Hugging Face や Cohere など世界のジェネレーティブ AI 企業を招き「Generative AI Asia 2023 Conference」を開催する予定だ。

Wrtn Technologies はこれまでに、Sui Generis Partners、Capstone Partners、韓国中小企業銀行(IBK)、N.Partners、韓国信用保証基金などから累積で45億ウォン(約4.5億円)を調達している。直近の調達は、2022年11月に実施したプレシリーズ A ラウンドだった。

 via VentureSquare(벤처스퀘어)

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