Appleが軽量ARハードウェア製造「Mira」買収、ニンテンドー・ワールドなどで利用実績

Image credit: Mira

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

The Vergeなどの海外テックメディアが報じている情報によると、Appleはロサンゼルスを拠点とするARスタートアップの「Mira」を非公開の金額で買収したそうです。この買収は、CEOであるBen Taft氏のInstagramへの投稿で明らかになりました。Appleが3,499ドルの複合現実感デバイスを「Vision Pro」ヘッドセットを発表した翌日の出来事です。

Miraは2016年創業で、低価格でスマートフォンを搭載したARヘッドセットを作ることで、拡張現実(AR)を手軽に利用できるようにしようとしたスタートアップです。The Blue Bear Capital、Happiness Ventures、Sequoiaなどの投資家から約1,700万ドルの資金を調達しているようです。

製品のPrismは、スマートフォンをバイザー状のデバイスに取り付けることでユーザーの目の前にあるレンズに画像を映し出し、現実世界にホログラフィックなオーバーレイを作り出します。ハンドヘルドコントローラーを使って、ARコンテンツを操作できる、というものになります。

また、開発者がPrism用の独自のARアプリケーションを作成するためのソフトウェア開発キット(SDK)と、ユーザーが自分のARビューを他のデバイスにストリームできるSpectator Modeというコンテンツプラットフォームも提供しています。

そして特に私たちに馴染みのある話題としては、彼らがユニバーサルスタジオのテーマパーク「スーパー・ニンテンドー・ワールド」のARヘッドセットやソフトウェアを手掛けた企業である、という点になると思います。これはライドアトラクション「マリオカート~クッパの挑戦状~」内で使われているARゴーグル(マリオの帽子をサンバイザーのようにしたもの)でゴーグルに表示される矢印に合わせてハンドルを切ったりすることで、コインを獲得できる、というものです。

特にテーマパークでのプロジェクションマッピングなどの映像技術とストロボなどの特殊効果が融合した、現実のセットと映像が一体化した使い方はARならではで、彼らの技術や経験がどのようにVisionProをはじめとする製品に反映されるのか興味深い点でもあります。

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