VRでうつ病を治療するBiPSEE、新たに高知銀行系らから資金調達

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Image credit: BiPSEE

うつ病などの精神疾患向けに VR(バーチャルリアリティ)を使った Digital Therapeutics(DTx、デジタル療法)を開発する BiPSEE は1日、新たに資金調達を実施したと発表した。調達額とラウンドステージは不明だが、プレシリーズ A ラウンドに続くブリッジラウンドと推測される。参加した投資家はプレシリーズ A ラウンドの時とほぼ同じだが、新たに高知銀行系のオーシャンリースが出資した。

BiPSEE は2017年に心療内科医の松村雅代氏(現 CEO)を中心に設立された。このスタートアップは、うつ病や他の精神疾患の原因の一つである「反すう(rumination)」に焦点を当てている。反すうとは、抑うつ気分のときに原因や結果、意味について繰り返し考えることであり、うつ病や不安症などの精神疾患のリスク要因とされている。

うつ病の治療には抗うつ薬の服用がスタンダードな治療方法の一つではあるが、3人に2人の患者は抗うつ薬の服用が奏功しない、また、2人に1人の患者は服薬指示を守らないという課題がある。また、反すう抑制には自己効力感のを育む体験を重ねることが有効だが、これまでは反すう抑制に特化したアプローチがなかったという。

そこで BiPSEE は、「BiPSEE Rumination」という VR プログラムを開発した。このプログラムには、日常から離れた「宇宙シーン」や「玉散らしシーン」など複数のシーンが用意されており、医師が処方したコンテンツをどこにいても体験することができる。また、過度にコンテンツを再生できない機能や、医師が処方通りにコンテンツを体験したかどうかを確認できる機能も備えている。

松村氏は現在、「医療 × VR」をテーマに高知大学医学部の特任教授を務めている。BiPSEE では現在、高知大学と共同で患者を対象とした探索的試験を行い、医学的な有用性を確認しているところだ。この試験の完了後、検証的試験を実施し、薬事承認を得ることを目指す。BiPSEE では今回調達した資金を使って、研究開発をさらに加速するとしている。

via PR Times    Summarized by ChatGPT

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