
大阪を拠点に、小売企業やメーカーを対象に売上増加と在庫削減の両立を支援する SaaS「FULL KAITEN」を開発・提供するフルカイテンが、約10億円を調達したと日経が報じた。出資参加したのは、ジャフコグループ(東証:8595)、三菱 UFJ キャピタル(MUCAP)、FFG ベンチャービジネスパートナーズ、SMBC ベンチャーキャピタルなど。ラウンドは不明だが、フルカイテンにとっては、2022年1月に実施したシリーズ B ラウンドのエクステンションに続くものだ。明らかになっているだけで、累積調達額は20億円前後に達したとみられる。
FULL KAITEN は、AI による予測技術で小売業が抱える「在庫問題」の解決を目指すサービスだ。元々、ベビー服 EC「べびちゅ」を運営していた同社(当時の社名はハモンズ)が、自社の課題を解決するためにシステムを構築。2017年にFULL KAITEN の初期版を公開し、導入企業から出た機能追加の要望に対応し、次期バージョンの提供を開始した。主に大手アパレル企業、エンタープライズ各社などが導入している。その後、同社は社名を変更、ベビー服 EC 事業を他社に譲渡し、現在は FULL KAITEN 事業に特化している。
フルカイテンでは、新たに新商品の需要予測サービスを機能追加する予定で、この機能はすでに余剰在庫抑制効果を立証済だという。この機能では類似商品の販売データを参考に、適正な生産量を向上に発注し、余剰在庫を抑制する。同社では今回調達した資金を使って、今秋のこの新機能の本格ローンチに向けた準備を行う。FULL KAITEN は現在およそ200のブランドに導入されているが、記事によれば、新機能を売りに、今後1年間で5割増の300ブランドへの導入を目指すとしている。
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