台湾のスマート介護スタートアップ Smart Ageing Tech（智齢科技）は、1億5,000万ニュー台湾台湾ドルのプレシリーズ B ラウンドでの資金調達を完了したと発表した今回のラウンドの投資家のうち、Jiashin Cement（嘉新水泥）、Wistron Capital（緯創資通）、DYX Management（達盈管顧）はいずれも2回目の投資であり、新規投資家には Media United（媒體聯合報）と Chang Neng Capital（彰能資本）が含まれている。

Smart Ageing Tech は、「AI スマート測定トローリー」と「住宅ケア管理ソリューション」の提供者として、バイタル、投薬記録、傷の認識、スマートスケジュールなど、AI 技術を駆使して介護サービスを向上させているチームだ現在までに、37,000人以上の高齢者（とその家族）にサービスを提供し、6億件のケアデータを蓄積しており、中国での市場シェアは30％以上となっている。

今回の資金調達の理由を尋ねたところ、Smart Ageing Tech の創業者で CEO の Shih-Chung Kang（康仕仲）氏は次のように答えた。

今回調達した資金は、介護のデジタルトランスフォーメーション（DX）を加速させ、人手不足問題を解決するための高度な AI 技術の研究開発に使用する予定だ。また、台湾市場に注力するだけでなく、アメリカ、カナダ、日本などの海外市場にも進出していく。

AI 介護で、年間売上高成長率は300%に

Smart Ageing Tech は2018年より前に国立台湾大学の研究室で設立され、台湾政府科学技術部の「人口高齢化チャレンジプロジェクト（人口高齡化議題挑戰計画）」に参加し、中華文化に合わせた家族向けのクラウド型ケアシステムを開発し、高齢者の安心、家族の安心、施設のケアを実現するためのケア環境を整えていた。

Smart Ageing Tech は2018年、介護の課題とビジネスの実践に取り組むため、プロジェクトから独立企業へと移行した2019年には、入所施設向けの「入所介護管理ソリューション」を発売し、その後2年間で「通所介護管理ソリューション」「訪問介護管理ソリューション」を発売する予定だ。

Smart Ageing Tech は2022年末時点で合計27件の意匠・発明特許と商標を取得し、年商が毎年300％の成長を続けている主力製品の一つである AI スマート測定トローリー「VitalTrolley」は、台湾、アメリカ、カナダで特許を取得している。

北米と日本市場に参入

2021年のシリーズ A ラウンドで1億9,500万ニュー台湾ドル（約8.8億円）、プレシリーズ B ラウンドで1億5,000万ニュー台湾ドル（約6.8億円）を調達したことで、同社の累積調達額は5億2,000万ニュー台湾ドル（約23.6億円）に達した。地元の台湾市場だけaでなく、北米と日本でも成功を収めつつある。

• 北米市場：北米で20,000以上の長期療養施設の市場シェアを持つナンバーワン介護システム「PointClickCare（PCC）」と提携。2022年末に市場参入し、3ヶ月で地域の25の長期療養施設との契約に成功した。
• 日本市場：すでに大手上場企業と販売代理店として交渉しており、日本国内の現地企業の販売チャネルを組み合わせることで、早期に市場に参入する。

また、Smart Ageing Tech は、各国の介護ニーズに大きな違いはないと指摘しており、介護記録、異常状態警報、職種間コミュニケーション支援、家族連絡などの技術に注力し、当社の製品・サービスが国際市場で迅速に導入できるようにし、「2024年までに海外売上1億ニュー台湾ドル（約4.5億円）超を目指す」としている。

【via Meet Global by Business Next（数位時代） 】 @meet_startup

【原文】