阿里巴巴がLLM搭載「通義聴悟」発表、百度がLLM企業向け200億円ファンド設立——中国スタートアップシーン週間振り返り(5月29日~6月2日)

SHARE:
Alibaba(阿里巴巴)が LLM(大規模言語モデル)搭載の第3弾製品「Tongyi Tingwu(通義聴悟)」を発表。
Image credit: Alibaba(阿里巴巴)

本稿は、Technode(動点科技)が、5月29日〜6月2日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Alibaba(阿里巴巴)、LLM 搭載の第3弾製品「通義聴悟」のパブリックテストを開始(6月2日)

E コマース大手の Alibaba(阿里巴巴)は2日、LLM(大規模言語モデル)搭載の第3弾製品として、インテリジェントアシスタント「Tongyi Tingwu(通義聴悟)」を発表し、パブリックベータテストを開始した。このツールは、音声や動画をリアルタイムでテキストに変換するほか、話者やセクションごとに要点をまとめることができ、オンライン教育、インタビュー、ライブストリーミング、ポッドキャストなどさまざまな利用シーンが想定されている。

Tongyi Tingwu は、Alibaba の ChatGPT に似たサービス「Tongyi Qianwen(通義千問)」をベースに、「マルチメディアコンテンツの迅速かつ優れた理解と容易な共有を促進する」ために作られたと、Alibaba Cloud Intelligence(阿里云智能)CTO の Jingren Zhou(周靖人)氏は TechNode(動点科技)に送った声明で述べている。動点科技

Baidu(百度)、ChatGPT 系スタートアップ支援で200億円ファンド設立へ(6月1日)

中国の検索大手 Baidu(百度)は、ChatGPT のようなスタートアップを支援するために10億人民元(約197億円)のファンドを設立すると、CEO の Robin Li(李彦宏)氏が、5月31日に開催された「JPMorgan Global China Summit」で発表した。このファンドは、中国における大規模言語モデル(LLM)のエコシステムの繁栄を促進することを目的としていると、Li 氏は述べた。

Baidu はまた、スタートアップコンペティションを開催し、参加者に「ERNIE Bot(文心一言)」を使ったアプリケーションのアイデアを提供するよう呼びかけ、最高賞となる1,000万人民元(約2億円)はアーリーステージ投資となる。Li 氏は、アメリカの開発者が OpenAI の ChatGPT をベースにさまざまなアプリケーションを作成しているように、中国の開発者が Baidu の LLM である ERNIE Bot をベースにした AI アプリケーションの考案奨励を望んでいる。百度

AI・電機メーカー Mobvoi(出門問問/羽扇智) 、香港 IPO を申請(6月1日)

5月30日、北京に拠点を置くテクノロジー企業 Mobvoi(出門問問/羽扇智)は香港で新規株式公開を申請し、AI 生成コンテンツ(AIGC)を事業として上場する初の中国企業となった。目論見書によると、Mobvoi は企業向けに AI 音声アシスタント、AI ライティングアシスタント、AI 音声対話ソリューション、インテリジェント顧客サービスソリューションなどの AI ソフトウェアソリューションを提供している。また、AI スマートウォッチや AI スマートトレッドミルなどのインテリジェントデバイスも製造している。

目論見書では、2020年以降、Mobvoi が世界中で600万人以上の AIGC ソリューションの登録ユーザを獲得したことを強調している。Mobvoi の売上高は、2020年度に2億6,500万人民元(約52.3億円)、2021年度に3億9,800万人民元(約78.6億円)、2022年度に5億人民元(約98.8億円)だった。Mobvoi は、Sequoia Capital、Google、Volkswagen Group などから、6回の資金調達ラウンドで総額25億5,000万ドルの投資を受けている。新浪

「DingTalk(釘釘)」、企業顧客を対象に新 AI 機能のテストを開始(6月1日)

Alibaba(阿里巴巴)のワークプレイスコミュニケーションプラットフォーム「DingTalk(釘釘)」は現在、アプリに搭載された新 AI 機能のテストを企業顧客に呼びかけている。この AI 機能は、テキスト、画像、会議の要約を生成することができるほか、提供された資料をもとに会議メモを整理したり、チャットボットを作成したりすることができる。

ChatGPT の登場により世界的な現象となって以来、中国のテック大手は AI 機能の紹介に熱心だ。DingTalk は、職場のコミュニケーションアプリとして初めて AI 機能を取り入れた大手企業の1つだ。ByteDance(字節跳動)の Feishu(飛書、海外市場では Lark)も4月に、「My AI」と呼ばれる新しい同様の AI アシスタントをアプリに連携すると発表したが、まだオープンテストは始まっていない。36気

Alibaba(阿里巴巴)、天津市とクラウドコンピューティングなどの技術で協力へ(5月29日)

中国北部の天津市の高官らが5月26日、Alibaba(阿里巴巴)の CEO Daniel Zhang(張勇)氏と会談し、クラウドコンピューティングのインフラ、産業インターネット、スマートシティ構想で連携を深めることを表明した。

Alibaba は、天津市に、より高い効率性と低コストを実現するコンピューティングパワーサービスを提供し、天津市のクラウドコンピューティング、AI、ビッグデータにおける進展を支援するとしている。Alibaba は今年、杭州の市場規制当局や南西部の重慶市など、さまざまな地方政府との連携を強化している。天津日報

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録