東京タワーやビッグベン、ピサの斜塔などの人気の観光地を訪れた際には、記念に写真を撮りたい人も多いだろうし、場合によっては通行人に写真撮影を手伝ってもらうこともある。しかし家に帰ってきてから写真を確認してみると、通行人が撮ってくれた写真にはほとんどの顔が写っていないことに気づく。

写真撮影マッチングスタートアップの Smiler は、観光スポットの近くでカメラマンと観光客をマッチングするため、通行人に助けを求めることなく、プロのカメラマンに写真を撮ってもらうことができる。観光名所の写真を撮ってくれる人を探す際、Smiler は、Uber を呼ぶように、カメラマンとのマッチングをしてくれる。

Uber の配車と同じく、最も近くにいるカメラマンをマッチング

Smiler にアクセスすると、最も近い観光スポットを見つけ、そこでカメラマンの予約をすると、最も近いカメラマンをマッチングしてくれる。このプロセスは、Uber でクルマを呼ぶ際のユーザ体験に似ている。

現在、Smiler は15分の一般プラン、30分のアドバンスプラン、45分の VIP プランの3つのプランを提供しており、価格は35～95ユーロ（約5,500～15,000円）となっている。平均的な Smiler のカメラマンの時給は30～70ユーロ (約4,700～7,860円) だ。さらに、Smiler は30ユーロ（約4,700円）でより洗練された写真撮影サービスも提供しようとしている。

どの観光地にどのくらいの価格が適しているのか、それに対応する写真の枚数はどのくらいか、まだ検討中だ。（Smiler CEO Kasper Middelkoop 氏）

Middelkoop 氏は、価格は依然として変動しているため、売上高に関する情報は開示していないと述べた。

カメラマンのポートフォリオ作りにも一役

Smiler は新人カメラマンにとっては、ポートフォリオを作るのにも役立つ。Smiler の革新的なコンセプトは観光客を助けるだけでなく、新人カメラマンにとっても素晴らしい足がかりとなる。Smiler はカメラマンにギャラを提供するため、彼らの撮影スキル向上を促し、それにより、より良い写真を撮影し販売することで、新人カメラマンが収入を増やすことにも繋がる。

Smiler へのカメラマンの登録プロセスでは、名前、電話番号、電子メール アドレス、国などの基本情報を提供するだけで済み、ポートフォリオをアップロードする必要がないため、新人カメラマンでも案件を受けられる機会が得られる。現在、Smiler には世界中に合計9,000人のカメラマンがおり、そのほとんどがバルセロナ、ローマ、ロンドン、パリ、アムステルダムを含む5都市で活動している。

我々は2021年5月、オランダで事業を開始した。その後、新型コロナウイルスの感染拡大が発生したため、ドバイとシンガポールに移った。観光市場が回復しつつある今、我々は再びヨーロッパに戻り、できるだけ早く事業を拡大したいと考えている。（Smiler 最高リスク責任者 Martine Rooth 氏）

790万ユーロ（約12.4億円）を調達し、サービス分野を拡大へ

カメラマンがほとんどのお金を受け取り、観光地が次に多くのお金（アトラクションのチケットなど）を受け取り、我々の取り分は最も少ない。このように、我々の哲学では、フリーランスのクリエイターだけでなく、地元観光局もサポートする。Smiler のコンセプトは、スマイラー、カメラマン、地元観光局（観光地）の三方よしの状況を実現できるということだ。（Martine Rooth 氏）

Smiler は6月9日、Octopus Ventures がリードした最新のラウンドを790万ユーロ（約12.4億円）の調達でクローズした。Smiler は、この新しい資金を使用して、数千の新しい撮影ロケーションを立ち上げ、旅行者の利便性を向上させることを期待している。

台湾にも同様のサービスを提供する新興スタートアップ Joyshot がある。違いは、Joyshot が生活感のある旅行写真に焦点を当てていることだ。旅行者はお気に入りのカメラマンを選び、少なくとも1時間は旅行者に一緒に巡り、最終的には40枚以上の未編集写真をユーザに提供する。Joyshot は Smiler とは少し異なるが、旅行写真の潜在市場をターゲットにしている。

【via Meet Global by Business Next（数位時代） 】 @meet_startup

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