本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載
キャンピングカーのレンタルやカーシェア、車中泊スポットの提供、旅先での体験などを行うサービスがCarstayです。2018年創業のCarstayは、翌年1月にサービスを開始し、現在では全国に347件の車中泊スポットやキャンプ場を提供しています。また、軽キャンやバンコン、キャブコン、モーターホームなど様々なタイプのキャンピングカーをレンタルやカーシェアで利用できるほか、モビラボ事業ではキャンピングカーのオーダーメイドやリノベーションを手掛けるなど、キャンピングカーを中心とした利用者のプラットフォームになりつつあります。
同社代表取締役の宮下晃樹さんはキャンピングカーならではの「資産性」にカーシェアモデルがハマっていると、ビジネスについて次のように語ります。
「キャンピングカーって保有しても年間で330日くらい乗らない期間があるんです。そこで資産運用という形でシェアリングに戻ってくる。見た目は自由さを謳っている楽しいレジャー体験を提供してるんですが、その裏側ではこのモビリティのアセットオーナーの資産運用という二面性があるプラットフォームになっています」(宮下さん)。
現在は自動車販売大手と連携して保有するキャンピングカーをCarstayに掲載してシェアという方法で運用するケースも出てきているそうです。また、最近ではコロナ禍が落ち着いてから復活しつつある海外旅行客の利用も増えてきているそうで、中には3カ月の長期に渡って数十万円の費用をかけて借りる利用者もいるのだとか。
そんなCarstayが今、一番力を入れているのが自社でのリノベーションやオリジナルブランド開発です。EVメーカー「HW ELECTRO」と共同開発したEVキャンピングカー「moonn.」を8月に発表しています。
「日本で初めてのEVのキャンピングカーを作りました。こちらは大体2カ月ぐらいで作ったんですけれど、車中泊でちょっとつらいとか、そういうイメージをも払拭するような車を作ってやろうと。テーマは動くホテルというもので、普通のキャンピングカーの約200倍のバッテリーがEVにはございますので、どんな大型家電でも使えるんです。ちょうど発表から1週間で、かなりお問い合わせもいただいてるような状況です」(宮下さん)。
一般的にキャンピングカーはカスタマイズなどに相当の費用や期間がかかることから、リセールマーケットでの価値があまり落ちず、資産性が高いと言われています。今回のmoonについても、購入を希望するユーザーについて宮下さんは、やはりそういった資産性に注目した上で、例えば快適なグランピングのような居住体験を求める、そういった期待の声を聞いているとのことでした。また、企業についても、外装へのラッピングがしやすいことや、EVならではの環境配慮といったメッセージ性について注目されているというお話でした。
現在は首都圏中心のCarstayですが、今後は地域への拡大計画もあるそうです。
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