デジタル名刺「プレーリーカード」って何?個人やショップカードでの活用見込む/KDDI ∞ Labo8月全体会レポ

登壇したスタジオプレーリー共同代表の坂木茜音さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

デジタル名刺「プレーリーカード」を提供するのがスタジオプレーリーです。プレーリーカードは、NFC対応のスマートフォンをかざすだけでウェブに自己紹介やSNSなどの情報を表示できる仕組みで、自由なデザインで個人のオリジナルカードを作成できるものになります。名刺管理ツールとも連携でき、紙と違って1枚をずっと使うことになるため、環境にやさしいという特徴も持っています。

スタジオプレーリーは2020年7月に設立され、共同代表の片山大地さんはリクルートやギフティ、メルカリなどを経て同社を共同創業しました。また、今回登壇した共同代表の坂木茜音さんはロフトワークでアート事業を中心にクリエイティブディレクターを務めたのち、京都美術工芸大学で学び、現在はシェアハウスの管理人や表現活動なども並行して手掛けている人物です。それぞれのお名前にリンク先をつけましたが、こういったプロフィール情報がプレーリーカードに紐づいたウェブに掲載されている、というわけです。

プレーリーカードは2023年2月に正式サービスを開始し、渋谷スクランブルスクエアやコワーキングスペースSAND BOX TOTTORIなどの企業やコミュニティで導入されています。プレーリーカードの仕組みはシンプルで、カードに仕込まれたNFCを対応するスマートフォンで読み込むだけで、個人のプロフィールが設定されたページが表示されるものです。価格はデザインの種類によって3,850円から購入可能で、個人向けは買い切りとなっています。坂木さんはこれまでの名刺の課題を次のようにお話されていました。

「紙の名刺はまず無駄が多い。印刷すると情報を気軽に更新できない。そうすることによって渡せなかった名刺がすぐゴミになってしまう。掲載情報に限界があるという点においては、事業や個人の背景をなかなか伝えることができなかったり、QRコードせっかく印刷したのに読み取ってもらえない。(結果として)名刺を複数枚持ち歩くという方もいらっしゃいます」(坂木さん)。

プレーリーカードの使い所は個人だけはありません。最近増えているショップアカウントなどの存在もその対象です。用意されている法人プランではカードプロフィールページだけではなく、大人数での管理やコミュニティ形成のニーズに応えて、管理画面の開発と提供もされているそうです。管理画面では、アカウントの管理だけではなく100人や1000人単位で最新情報を一括で編集できるといった機能を備えていたり、交換回数や交換時間の閲覧、各種リンクタップの測定ができるという説明でした。

そして当日の会場から出た質問で、やはり気になるのは名刺交換した際の「相手の」反応です。自分は紙の名刺を渡している一方、受け取る側はスマホを出さなくてはなりません。さらに慣れが必要なのは受け取ったウェブ情報をどう管理するか、です。そこで同社では8月に新機能「名刺ビュー保存」をリリースしました。

これは表示させたプレーリーカードのコンタクト情報を名刺のようなフォーマットの画像としてスマホに保存する機能で、これにより受け取り側もカメラロールにわかりやすく情報が残ることになります。登壇の最後、坂木さんは「名刺はあくまで入口。人との初対面はお互いに一度しかあり得ません。そんな大切な時間をより素敵な時間にデザインしたい」と締めくくりました。

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