話題のポイント：ニューヨークに拠点を置くスタートアップ Teamshares が、小規模ビジネスの未来を変える可能性を秘めた新しいビジネスモデルを展開しています。退職するオーナーから小規模企業84社を買収し、それらの企業に新しい社長を任命するだけでなく、従業員に企業の株式を付与しています。

Teamshares は最近、2億4,500万米ドルの資金調達に成功しました。このラウンドは QED Investors がリードし、Spark Capital、Union Square Ventures、Inspired Capital、Khosla Ventures、Slow Ventures なども参加しました。この資金調達によって、Teamshares はそのビジネスモデルをさらに拡大し、多くの小規模ビジネスに新しい選択肢を提供することが可能になります。

Teamshares のビジネスモデルは、退職するオーナーから小規模ビジネスを買収し、その企業を20年以内に80%以上従業員所有に変換するというものです。このモデルによって、従業員は企業の成功に直接貢献でき、その報酬として株式を得ることができます。さらに、企業には新しいリーダーシップ、財務リテラシー教育、株式管理システム、多様な金融商品が提供されます。

アメリカでは、小規模ビジネスが全国の労働力の約半分を雇用しており、その多くが退職するオーナーによって運営されています。しかし、これらのオーナーが退職する際に後継者を見つけるのは容易ではありません。

Teamshares は、この問題に対する解決策を提供しています。退職するオーナーに財務的な出口を提供するとともに、従業員に株式を付与することで、企業の持続的な経営と従業員の福利厚生を高めています。

2021年1月にはわずか4社、収益1,000万米ドルからスタートした Teamshares は、2023年7月時点で4億米ドルにまで成長しています。この成長により、29州の42業種で2,100人以上の新しい従業員オーナーが生まれました。

特に注目すべきは、Teamshares が最近カリフォルニアの特産食品メーカー Mother Nature’s Goodies を買収したことです。この企業は、ロサンゼルスとオレンジ郡で、全て自然で非GMO（非遺伝子組換え）の成分を使用したグラノーラを提供しています。

Teamshares は、今後も資本を調達し、新たな小規模企業の買収を進める計画です。その際、どのような企業をターゲットにするのか、また、買収後にどのような戦略を展開するのかが注目されます。特に、健康とフィットネスに対する高まる認識や、栄養価の高いスナック製品への関心が市場成長を後押ししています。

Teamshares は、小規模ビジネスの運営方法を根本から変える可能性を持つ革新的なスタートアップと言えます。そのビジネスモデルと資金調達によって、多くの小規模ビジネスとその従業員に新しい可能性をもたらしています。このスタートアップの成功が、小規模ビジネス、従業員、そしてフィンテック業界全体に与える影響は計り知れません。