鉄スクラップをAIで解析しリサイクルに貢献、東大発EVERSTEELが2億円をシード調達

SHARE:
EVERSTEEL の皆さん
Image credit: Eversteel

鉄スクラップ AI 解析システム「鉄ナビ検収 AI」を開発する EVERSTEEL は28日、シードラウンドで2億円を調達したことを発表した。このラウンドに参加したのは、DCM Ventures。

EVERSTEEL は、AI を用いた廃棄物の品質管理により環境課題を解決する東大発クリーンテックスタートアップだ。代表の田島圭二郎氏が東京大学での鉄鋼材リサイクルの研究とスイス工科大学での画像解析技術の研究をもとに創業した。

同社は鉄リサイクルに特化した画像解析技術の研究開発に注力している。これまでに電炉最大手の東京製鐵(東証:5423)をはじめ、トピー工業(東証:7231)、朝日工業など複数の業界大手鉄鋼メーカーとの実証実験を経て、国内10社以上で実際の操業現場への導入検討が進んでいる。

鉄は世界で最も多く使用されている金属でグローバルマーケットが巨大である一方、最大の二酸化炭素排出産業でもある。そのような状況の中、鉄鋼業界では、石炭を燃やして鉄鉱石から鉄を作る「高炉法」から鉄スクラップを電気で溶かしてリサイクルにより鉄を作る「電炉法」への大きな転換期を迎えている。

しかし、鉄のリサイクル原料である鉄スクラップには鉄以外の不純物や爆発物等が混入するケースがあり、各鉄鋼メーカーではベテランの作業員が目視で品質チェックをしなければならず、人による判定のバラツキや見逃しが品質面・安全面から深刻な課題となっているのが現状だ。EVERSTEEL はこれらの課題を解決すべく、現在は鉄リサイクルのフローの中でも「検収」に特化した開発をしている。

今後はさらに鉄スクラップの品質を判定する AI、危険物や非鉄金属を検出する AI、厚み・サイズ・鋼材の種類などパーツレベルで判定できるAIの開発、お客様の様々な工場環境に適応するためのハードウェアの開発、工場の基幹システムとの連携機能の開発、現場での使い勝手を追求したアプリケーション開発に取り組む予定だとしている。

via PR TIMES

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録